卸業者には「コメ在庫」が山積みに…現実味を帯びる「コメ大暴落」を前に「“5キロ3000円”を切れば離農者が増える」と農家の悲鳴
農家の適正価格は3000円
「ここで注目したいのがカリフォルニア米の価格です。ご存知の通り、令和の米騒動ではコメ5キロが5000円台にまで高騰しました。その結果、誰もスーパーで国産米を手に取らなくなったのです。パンや麺類にシフトし、どうしてもコメを食べたくなったらカリフォルニア米を買う。私が取材した店でカリフォルニア米は5キロ2980円で販売されています。となれば、国産米が日常的に2900円以下で店頭に並ぶようになったら、国産米の消費量も回復すると思います」(同・記者)
コメ5キロが2800円台と聞けば、高値に悩まされていた消費者は非常に安いと感じるだろう。だが、つい数年前まではもっと安い価格で売られていた。例えば2023年の販売価格を調べてみると、1900円台から2000円台という具合だ。
Xを見ると「コメの適正価格は5キロ2500円」、「2500円に下がったら買う」という投稿が目立つ。しかしコメ農家にとっては厳しい価格だという。
「私は2500円に下がる可能性は充分にあると考えています。そもそも25年産米が余っていますし、今年は昨年と同程度の収穫量が見込まれています。予測通りの結果になれば、JAを筆頭とした集荷・卸業者は厳しい買い取り価格を提示するでしょう。さらにイラン情勢の影響で、軽油と肥料の価格が世界的に上昇しています。戦闘が長期化し、コメ余りで価格が下落すれば、軽油と肥料の価格上昇分は農家が負担するしかありません。その場合、ただでさえ増えている離農者が、もっと多くなるでしょう」(前出の兼業農家の男性)
もっとコメを作るべき
兼業農家の男性は「農家にとっての適正価格は5キロ3000円台」と言う。先に見たとおり、カリフォルニア米は5キロ2800円、Xで希望が多いのは5キロ2500円だ。
「ただし、5キロ2500円で日常的に売られるようになったとしても、農家の生活を守る農政は可能です。外国産のコメが安いのは事実ですが、その国の農政を調べてみると、農家に潤沢な補助金が交付されていることは珍しくありません」
今、備蓄米の買い戻しに焦点が集まっている。特に一部のJAは「備蓄米の買い戻しでコメ価格の下落を防いでほしい」と公言している。
「税金を使ってコメを買い支えることに批判が集中するのは分かります。しかし、そもそも備蓄米の量は私たちが1年に消費する量の半年分しかないということをご存知でしょうか? 一方、海外では1年分の食料を備蓄している国は少なくありません。大前提として日本はコメの生産量を絞りすぎです。例年に比べて1割収穫が増えただけで『生産調整が必要だ』と大騒ぎになります。もっとコメをたくさん作れば、自動的に価格は下がります。余ったコメは1年分を備蓄して有事に備える。コメの自給率を守るためにも生産量は増やし、値が下がってもコメ農家の生活が守られる法整備を行う。それこそが本当の農政だと考えます」(同・兼業農家の男性)
第1回【コメ最高値から一転、スーパーで「5キロ3000円割れ」も…鈴木農水相「備蓄米の買い戻し」発表に「価格はマーケットの中で決まるのでは?」と疑問の声】では、コメの大暴落が現実味を帯びる中、JAが政府に「備蓄米の買い戻しでコメを買い支えしてほしい」と要求。ネット上で激しい批判が集中している状況について詳細に報じている──。
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