コメ最高値から一転、スーパーで「5キロ3000円割れ」も…鈴木農水相「備蓄米の買い戻し」発表に「価格はマーケットの中で決まるのでは?」と疑問の声
6月暴落説の信憑性
普通、需要が減れば、価格は下がる。鈴木憲和・農水相は会見で「コメの価格はマーケットで決まる」と何度も繰り返して話題を集めた。“神の見えざる手”という経済学の大原則を踏まえれば、発言の内容自体は正しい。
ところがコメが売れなくなっても、販売価格は全く下がらなかったのだ。JAを筆頭にコメの集荷・卸業者は昨年秋に高値で農家からコメを買い取った。消費者が買わないからと安売りすると大きな損失を被ってしまう。特に小さな卸業者は高金利で資金を調達してコメを集めた。投げ売りすると資金繰りがショートし、倒産の危険性が上昇する。
「消費者は迷うことなく、5000円台や4000円台のコメには『NO』を突きつけました。そのため業界では『3つの危機説』が囁かれるようになります。1つ目は24年の年末。短期融資でコメを買った業者の返済期限が近づいているというのが推測の根拠でしたが、これは外れました。2つ目は年度末。年度末に決算期を迎える多くの業者が損益を確定させたいため投げ売りが始まるという分析で、これが今、下落が起きている原因の一つだと考えられます」(同・記者)
実は昨年の時点で「6月暴落説が本命」と予測する関係者は少なくなかった。その6月が近づいている。
コメが全く売れないため、卸業者の倉庫は25年産のコメが積み上がっている。一方、8月には早くも今年の新米が市場に出回る。さらに今年のコメは何の問題もなければ収穫量は増えると予想されている。行き場を失った25年産米は6月ごろから市場に投げ売りされ、いよいよ大暴落が始まるというシナリオだ。
JAに批判殺到
消費者は物価上昇と実質賃金の伸び悩みに苦しんでいる。高齢化社会のため年金暮らしの消費者も多い。消費者の“サイフ”を無視した高値に対する憤りは強い。SNS上では鈴木農水相、さらにJAに対する怒りの声で溢れている。
《「価格は市場で決まる」と言っていたはずだけど》、《銭ゲバJAざまぁ》、《JAは欲の皮、恥を知れ!》、《JAどものいいようにはさせない》、《今更だけど、主食で投資して儲けて嬉しいの?》、《JAって今や国民最大の敵では?》、《安い米って悪い事ですか? その事と農家の収入が減る事は別でしょう!》
「一方のJAは危機感を隠そうとせず、政府に備蓄米の買い戻しを迫っています。下落する米価を税金で買い支えしてもらおうというわけです。鈴木憲和農水相も強い意欲を示しており、3月24日の会見で『買入れを実施するために、4月14日に入札を行う』と明言しました。これにXでは《鈴木農水相が国民サイドに立って考えてない事だけは事実です。農水貴族サイドに立って常に発言》など批判が殺到しています。さらにアメリカとイランの戦争が長引き、原油高や調達不足が続けば農家にも大きな影響が出ます。農業機械に必要な軽油の価格が高止まりしますし、肥料の価格も上昇します。消費者の本音は『5キロ2500円』で、これは令和のコメ騒動が起きる前の価格になります。暴落が起きれば現実性のある価格帯ですが、果たして消費者の切実な願いは叶うのか。今のところ予断は許さないというのが実情でしょう」(前出の記者)
第2回【卸業者には「コメ在庫」が山積みに…現実味を帯びる「コメ大暴落」を前に「“5キロ3000円”を切れば離農者が増える」と農家の悲鳴】では、コメ農家は今の価格下落をどう受け止めているのか、その本音をお伝えする──。
註:「米価暴落の可能性、国が買い取るしか…」コメ卸最大手神明HD社長(朝日新聞電子版:2025年11月2日)





