「こんな凄いのは初めて」婦警vs.外国人女スリの激烈タッグマッチ 80年代デパート店員たちの興奮証言「どっちが泥棒なのか迷った」

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女同士の激しいケンカかと思ったら

 現場にいたスリは男1人、女2人の3人だったが、スリ取った財布を預かった男には、さしもの婦警も追いつけず、雲を霞と逃げてしまう。一方、もう1人の女スリの抵抗は、これまたモーレツなものだった。犯人逮捕に協力した「東急」駐車場係員の話。

「私はデパート裏手の検品場にいました。ここは裏通りに面していて、ちょっとしたガレージのようになっている場所なんですが、そこへいきなり女の人が2人、大声でなにか喚きながらもつれ合うようにして大通りのほうから走ってきたんです。一方が逃げるのを、もう片方が袖口を掴んで捕まえようとしていました。

 で、追いかけているほうの女性が引きずられるような状態でガレージの前まで来たところで、2人が倒れて取っ組み合いになったんです。逃げようとしているほうが上になり、必死で振り払おうとするんですが、下になった女性は背中を地面につけながらも、『死んでも放すものか』という感じで、相手の腕を両腕で押さえていましたね。

 私は、最初、女同士がケンカなんかしてミットモナイなと思っていたんですが、ギャーギャー喚き合っているのをよく聞いていると、上になっているほうは英語なんですよ。それで、こりゃ変だぞ、という感じになってきたんです。そしたら、組み伏せられているほうが私たちに気づいたのか、『警察の者です。この女、スリです。捕まえて下さい』って叫ぶんですよ。ようやく事情がのみこめて、私が飛び出していって、後ろからスリの両腕をぐっと押さえつけてやりました」

こんな捕り物は初めてですよ

 そこへ、先に1人を逮捕した婦警が駆けつけ、この大捕り物の幕が下りた。だが、ジャケットにスカート姿で格闘した婦警さん、足を擦りむくわ、頭から血を流すわ……で、その場を目撃したハンドバッグ売り場の主任など、

「私も日本橋店に勤めて9年になりますが、こんな捕り物は初めてですよ。小さなスリや万引きは毎月10件以上ありますが、今回のように凄いのは見たことがありません」

 と、まだ興奮醒めやらぬ様子なのだ。

 それにしても、近ごろの婦警さんは強くなったものだ。婦警といえば、駐車違反を取り締まるくらいが仕事、などと思ったら大間違いで、近ごろはSPに選ばれた婦警もいる。

 今回のお手柄の婦警2人は、スリなどを専門に扱う警視庁捜査三課の所属。デパートの入り口で格闘した24歳の巡査は剣道四段、合気道三年という実力者。婦警になってまだ一年という新人である。一方、検品場前で大立ち回りをやってのけ、名誉の負傷をしたのは31歳の巡査。合気道二級の腕前だが、その気迫は前述の若手巡査に負けてはいない。

「女スリはカンフーでも習っていない限り、とても勝ち目はなかった」(目撃者)

 ようなのであります。

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