通わせると「子だくさん」になる奇跡の保育園が熊本に 3人4人は当たり前…秘密は“親の成長”にあった

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少子化ストップに必要なもの

 やまなみこども園で起きている奇跡を3年にわたって追いかけてわかったことが一つある。

 もし少子化に歯止めをかけたければ、国が何兆円という税金をいくら投入しても、親の仕事の負担を軽くするだけでは成果は乏しいということだ。

 それより、親が親として成長し、間近で子どもの驚異的な成長スピードに感動し、周りとその喜びを分ち合え、「第二の青春」と言えるような環境を作る方がよほど重要なことなのだ。

『少子化に打ち勝った保育園』には、その実践と親が子だくさんになる秘訣を詳細に記したので参考にしていただければと思う。

 この記事を読んだ人の中には、「理想論に過ぎない」「立派だと思うけど自分は無理」と感じる人もいるだろう。しかし、こういう人にこそ、この園のことを知ってほしい。なぜならば、やまなみこども園を訪れた親の大半は、最初は同じように否定的な意見を持っているものの、その実践に触れたことで考えを180度変えているからだ。

 道枝は子育てについて次のように話していた。

「子育ては一人でできるものじゃないんです。みんなでやるからこそ、初めてできるし、その幸せを理解できるものなんです。

 ただ、今の時代には、今の時代にあったやり方があるはず。それをきちんと示して、実現できる環境を用意するのが保育園の役割なんじゃないでしょうか」

 子育てに否定的な意見が広まりがちな時代だからこそ、その道枝が言う「時代に合った役割」が少しでも広まり、多くの親と子に届くことを願う。

石井光太(いしい こうた)
1977年、東京生まれ。2021年『こどもホスピスの奇跡』で新潮ドキュメント賞を受賞。主な著書に『遺体 震災、津波の果てに』『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』『教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち』など。『ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える』など児童書も多い。『ルポ スマホ育児が子供を壊す』(新潮社)はロングセラーとなっている。

デイリー新潮編集部

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