日本人の死因2位の「意外な病名」とは… 「最重要臓器」に効く五つの食品と運動法

ドクター新潮 ライフ

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「身体活動」という考え方

 近年、「身体活動(フィジカルアクティビティー)」という考え方が広まり、単に運動するだけではなく、日常生活でのさまざまな動きも加えた総合的な「身体活動量」が重視されるようになっています。体への「負荷」という視点から見れば、運動であろうが家事動作であろうが同じであるというわけです。ちなみに私自身、両手にゴミ袋を持っての朝のゴミ出しを、心臓リハビリの一つとして捉え実践しています。

 ですので、ダラダラと掃除機をかけるのではなく汗ばむくらいにテキパキとやる、つま先立ちしながら洗濯物を干す、といったようにちょっとした負荷を加えることで、あえて「運動」をしなくても、「家事」をこなすこと自体がリハビリになり得るのです。

 実際、掃除機を15~20分かける、あるいは買い物で20分歩き回るといった家事動作には、10分間の軽いジョギングと同じ効果があります。

 なお、体を動かしたり、ゴミ出しをしたりするために、着るものに気を使ってジャージなどに着替えるのは実は考えものです。というのも、「これをやろう、やりたい」という思いや衝動は20秒で消えてしまうそうです。従って、ゆっくりと着替えている間に「ゴミ出しなんて面倒くさい」となりかねません。私も、冬は防寒の作業着を上に羽織るだけで、ゴミ出しをしています。

 また、運動関連の話で付言しておくと、高齢者が好むゲートボールは、心臓リハビリの観点からは必ずしも勧められません。もちろん、ゲートボールで体を動かすことは何ら問題ありません。一方で、勝ち負けに執着し過ぎると、メンタルストレスが増えて不整脈などを誘発しやすく、心臓にとっては負担となりかねないのです。

「ゴルフ場で心筋梗塞が一番多く起きるのはどこか?」

 答えは、ドライバーを振るために思いっきり力を入れて踏ん張るティーグラウンド――ではなく、勝負がかかるパットを打つグリーン上です。やはり、心臓のことを考えると過度なメンタルストレスは避けたほうがいいでしょう。

 心臓リハビリでは、ある程度の負荷で「鍛える」ことだけでなく、心臓を「いたわる」ことも大切です。そのためには食事が重要になります。心臓病予防の観点から、毎日摂取したい「トップ5フード」は以下の通りです。

温度に注意

(1) ネバネバ食品

 オクラ、モロヘイヤ、納豆、なめこなど。特にネバネバ野菜は食後の血糖値の上昇を抑え、摂取してから空腹を感じるまでの時間が長いため、肥満防止が期待できます。

(2) 青魚

 豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が動脈硬化などを予防してくれます。

(3) 豚肉赤身

 多く含まれるビタミンB1には血糖値の上昇を抑える効果があります。

(4) ナッツ類

 塩分の排出を促し、血圧を下げる効果のあるカリウムなどのミネラルが豊富です。

(5) お酢と緑茶

 お酢の酢酸、緑茶のカテキンは、糖質をブドウ糖に分解する酵素の働きを弱め、血糖値の上昇を抑える効果があります。

 また、「食事の仕方」で気を付けるべきは、第一に、ゆっくり30分くらいかけて食べる(食後高血糖を防ぐ)。第二に、三角食べにこだわらず、野菜を最初に食べるベジファーストを実践する(食物繊維を先に摂取することによって、同様に食後高血糖の抑制が期待できる)。以上の2点です。

 心臓をいたわり、ケアするには「温度」にも注意が必要です。暖かいところから寒い場所に移動すると、血管が収縮するため血圧が急上昇し、心筋梗塞などにつながりやすいからです。そう聞くと、「入浴する際のヒートショックに気を付けなければならないのだな」と思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、脱衣所やお風呂場だけでなく、「家全体の室温」に気を配る必要があるのです。

 WHO(世界保健機関)は2018年のガイドラインで、冬の室温を18度以上に保つことを強く推奨しています。さらに高齢者や子どもにはもう少し高めが望ましいとされています。寒さ(低室温)そのものが、心血管疾患や呼吸器疾患を誘発する健康阻害要因だからです。従って、寝る時も含めて24時間、18度以上の室温を保つことを心がけてください。極端に言えば、冬であろうと夏であろうと、家の中では同じ服装(薄着)で過ごせることが理想です。

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