日本人の死因2位の「意外な病名」とは… 「最重要臓器」に効く五つの食品と運動法

ドクター新潮 ライフ

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頑張り過ぎは禁物

 心臓病予防に役立つといっても、結局は「トレーニング」なので、辛くて続けられないのではないか……。そんな悲観的な気持ちになる人もいることでしょう。しかし、心臓のリハビリに関して、それは杞憂となるはずです。なぜなら、心臓リハビリにおけるトレーニングの最大の特徴は、「高齢者であっても取り組むことが可能な程度の負荷」にあるからです。

 他の内臓と違い、筋肉の塊である心臓は何歳からでも鍛えられます。当然、鍛えるには「ある程度の負荷」が必要になります。

 1970年代まで、心臓病患者はとにかく安静にすることが第一と考えられていました。しかしその後、安静にしていると全身の筋肉量が落ちるなどして結局は回復が遅れるため、体を動かし、まさにリハビリに取り組むことが心臓病においても重要であることが明らかになりました。例えば、1999年にドイツで発表された論文では、慢性心不全の患者を「運動を行わない群」と「週に2~3度運動を行う群」に分けた結果、後者の3年後の生存率は前者の2倍以上であると報告されています。

 このように、安静第一ではなく、むしろ安静にしていることが寿命を縮めるという考え方が現在は主流になっています。

 他方、負荷をかけ過ぎると心臓への過度な負担となることは容易に想像がつくと思います。つまり、心臓のリハビリは、安静第一でも負荷をかけ過ぎるのでもなく、「ある程度の負荷」=「高齢者であっても取り組むことが可能な程度の負荷」=「軽く息が切れる程度の負荷」でなければならない。言ってみれば、ハードなトレーニングや頑張り過ぎ(過負荷)は禁物なのです。どうですか? 取り組むモチベーションが湧いてきたのではないでしょうか。

一番の基本は……

 こうした考えを踏まえた上で、心臓リハビリとして有効な「三つの運動」を具体的に紹介します。

 まずは有酸素運動であるウォーキング。普段の生活に加えて1日30分程度、約3000歩の歩行を心がけてください。

 次に筋トレとしてのスクワット。お尻が床に着くほど深くではなく、椅子に座る時くらいの高さまで下げ、1セット5~10回を、できれば朝昼晩取り組んでください。

 最後にバランス感覚と骨強度を保つための片足立ち。椅子の背もたれを手でつかむなどして転ばないように気を付けながら、片足立ちを1分間、両足それぞれで行う。これも朝昼晩やってください。

 何といっても一番の基本はウォーキングなのですが、一方で多くの人がその効果に驚くのではないかと思うのが片足立ちです。日本整形外科学会によれば、わずか1分間の片足立ちで、53分間ウォーキングしたのと同じ骨への負荷が得られます。

 私自身、“自動的”に片足立ちになる日々を過ごすようにしています。電話で話す時は片足立ちで――そう決めているのです。連絡案件を片付けられる上に心臓リハビリにもなる。まさに一石二鳥です。他の二つの運動に関しても同じで、エレベーターやエスカレーターを使うのを控えて階段を使うようにしたり、テレビを見ながらスクワットしたりするといった具合に、日常生活の中に取り入れると継続しやすいでしょう。

 さらに言えば、心臓のリハビリにおいて、「運動」だけにこだわる必要もありません。

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