「10年独裁」「6選確実」でも「暴力根絶」に“本気度”は見えず 「八角理事長」の“元照ノ富士・処分”が大甘になりそうな呆れた理由 「伊勢ケ濱部屋は“取り潰す”には大きすぎて…」

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 何度この光景を見たことか。角界がまたもや暴行騒動で大揺れだ。今回の“主犯”は伊勢ケ濱親方(34=元横綱・照ノ富士)で、弟子の前頭7枚目・伯乃富士(22)に暴力をふるったことが大きな波紋を呼んでいる。春場所(8日初日・大阪)は大関・安青錦の綱取り場所で注目度は高かったが、元横綱の師匠が弟子に暴行をはたらくという大騒動の中での開催という間の悪さだ。場所後に処分が決まるが、八角理事長(元横綱・北勝海)が厳正な処分を下せるか、早くも疑問の声が出ている。その理由とは――。

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優等生だったが…

 今回の暴行は、伊勢ケ濱親方が加害者であるだけに、協会のショックは大きいという。

 近年、相撲界で起きる暴行騒動にはしばしばモンゴル勢が登場する。始まりは2010年1月。元横綱・朝青龍による一般人への暴力行為が発覚した。17年には元横綱・日馬富士が同じモンゴル勢の幕内・貴ノ岩へ暴行。貴ノ岩もこの翌年に自身の付け人を平手打ちしていたことが発覚した。24年には旧宮城野部屋の幕内・北青鵬が部屋で複数の同輩力士を殴った問題が明るみに出た。これにより、師匠であった元横綱・白鵬(当時は宮城野親方)が2階級降格となり、部屋は閉鎖となった。

「これらの力士は結局、全員、相撲協会を去ることになりました。協会の中にモンゴル勢をしっかり教育育成できる土壌がないということは明らかでした」(古参の相撲記者)

 しかし、そのモンゴル勢の中でも、伊勢ケ濱親方に対する協会の評価は高かった。元横綱・照ノ富士は、大関まで昇進したものの、怪我と持病の糖尿病の悪化で、2019年には序二段48枚目まで陥落した。そこから身体を治し、横綱まで昇進し、10回の優勝を遂げた努力家であったから、協会内部では「朝青龍らとは違う」と評価は極めて高かった。師匠・宮城野親方(元横綱・旭富士)との関係も極めて良好で、帰化する際は師匠の姓である「杉野森」をもらったほど。その優等生が暴行を犯しただけに、ショックは大きい。

過去の“お取り潰し”例は

 今回の事件により、伊勢ケ濱親方は春場所で暫定的に休場処分に。正式な処分は場所後に決まる。

 それがどのレベルのものになるのか注目だが、ポイントは親方自身が暴行を働いている点だ。協会では弟子同士による暴行は時に起こるが、師匠によるそれは少ない。先例となるのが2020年の中川親方(元幕内・旭里)を巡る一件である。2020年、中川親方は複数の弟子へ暴力を振るい、暴言を吐いていたことが発覚。悪質と判断され、2階級降格となり、部屋は即刻閉鎖された。

 また、暴行ではないが、2010年、暴力団との交際が発覚したことにより、木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)も、2階級降格の処分を受け、木瀬部屋は閉鎖となった。

 さらには先に述べたように、元白鵬は自身の暴行が認められたわけではないが監督責任を問われて2階級降格、部屋閉鎖の憂き目を見ている。

 平成以降、不祥事によって部屋が“お取り潰し”となったのは、この3例のみであることを鑑みても、信賞必罰の公平性を保つのであれば、伊勢ケ濱親方へも同様の厳しい処分が求められるのだが、八角理事長、及び協会には、それを躊躇させる“事情”があるのだという。

「伊勢ケ濱部屋は“潰すには大きすぎる”。八角親方にそこまでして、暴力に立ち向かう覚悟があるのか、疑問が残ります」(前出・記者)

 伊勢ケ濱部屋の現在の力士数は31名、関取数は7名。いずれも協会最多の一大勢力である。

「その中には、先場所、安青錦と優勝争いを繰り広げた小結・熱海富士や、2024年に110年振りの新入幕優勝を果たした尊富士(西十両4枚目)など有望力士もいる。部屋を取り潰せば、これらの弟子たちを誰が預かるのか。預けられる親方がいるのかという問題です。そうでなくても、伊勢ケ濱部屋は、もともとの伊勢ケ濱勢と、元白鵬が指導していた旧宮城野部屋の力士がいる混成部隊。現役時代の照ノ富士と白鵬との間の溝が、今回の暴行事件の遠因でした。そんな“複雑な部屋”を預かり、適切に運営できる親方がいまの伊勢ケ濱一門、あるいは相撲協会にいるのでしょうか」

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