名門校押しのけ“MARCH総なめ” 「大学合格者ランキング」で躍進した意外な高校

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再ブランド化で成功

 今年も大学入試の季節が終わる。週刊誌「サンデー毎日」では、恒例の合格者高校別ランキングを発表しているが、ここ数年、異変が起きている。昔はあまり聞いたことのなかった高校が、名門校を押しのけてMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)クラスの大学に大量の合格者を出しているのだ。

 例えば、東京・品川区にある「朋優学院」がそれで、サンデー毎日(3月15日号)によると、明治126名、立教80名、中央86名、法政122名。去年の実績では、早稲田70名、慶應義塾41名、国立大も筑波7名、横浜国立12名だ。ところが、同学院は十数年前まで早慶に数名受かる程度の高校だった。さらに、昔は調理や家政、経理や事務といったコースも設置する女子高だったのである。どうやって、ここまで進学実績を上げたのだろうか。同学院の佐藤裕行校長が言う。

「うちが共学化したのは2001年のことです。やはり少子化が背景にあったのは事実で、学校名も変え、男子生徒を受け入れるようになったのですが、男子の場合、親御さんから大学進学に対する要望が多かった。そのため、学校として受験対策に取り組もうということになった経緯があります」

 教育ライターの小山美香氏によると、

「私立校の多くはキリスト教系学校のほか洋裁などの実業学校がルーツです。実業学校は商業高校となって存続しましたが、その中から普通科を設置して大学進学を目指す高校が出てきました。中でも、渋谷女子高が共学化し『渋谷教育学園渋谷』として大成功。これと前後して多くの商業高校が、名を変え普通科を設置するようになった。朋優学院も再ブランド化で成功した例ではないでしょうか」

“選ばれる高校”に

 同学院の場合、他と違うのは高校しかないことだ。最近の中学受験ブームもあって高校の募集をやめてしまう学校が増える一方、日比谷や戸山といった都立の難関校を狙う受験生は併願校が欲しい。朋優はその受け皿になっている側面もある。だから、やはり進学実績は重要だ。

 同学院では入学試験の際に習熟度別のコースを選ばせ、入学後も1学期の成績で国公立志望や私立志望などに振り分けが行われる。また、2年に進学する際には、大幅なコース替えがある。そのため、教師は年3回以上の本人および親との面談を行うという。

「最近でこそ選ばれる高校になってきたという実感はありますが、まだまだ。東大も十数年前に初めて合格者を出しましたが、ゼロの年もある。本当の名門校への道は遠いと思っています」

 と先の佐藤校長。受験してもらう側の闘いも、また熾烈(しれつ)である。

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