“キスの中身”でも違いが… 人がキスをするとき「頭を右に傾ける」ワケ

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【全2回(前編/後編)の前編】

「人はキスをするときに頭を右に傾けることが多い」

 こう聞いて、自分がキスをするときはどうなのか、想像した方も多いのではないだろうか。日本人の場合、7割が右に傾けたという研究結果も出ている。しかし、右に頭を傾けてしまう原因ははっきりとしない。それを明らかにしようと学術的な研究に取り組んでいる心理学者がいる。法政大学文学部心理学学科の越智啓太教授だ。

根本的な謎

 越智教授は警視庁の科学捜査研究所にも在籍していたこともある、犯罪心理学が専門の学者である。専門分野はもとより、『美人の正体』や『恋愛の科学』といった恋愛心理に関する著作も執筆している。

 なぜ犯罪心理学の専門家が恋愛を研究対象とするのだろうか。越智教授に話を伺った。

「犯罪の中でも私が特に興味のある研究分野があって、一つはテロや大量殺人なのですが、もう一つがDVやデートDVなど恋愛がらみのもの。殺人事件の動機は“金、女、恨み”と言われるように、殺人事件を研究する際には、恋愛プロセスを抜きには語れません。大学の授業では、犯罪心理学と社会心理学を教えていますが、その中で恋愛も取り上げています。なぜ恋愛関係がうまくいかなくなるか、なぜ恋人から恨みを買ってしまうのか。学生も興味を持ってくれる。犯罪についての研究と並行して取り組んでいたら、データが集積されたので書籍にもしました」

 それでは、「キスをするときに頭を右に傾ける」ことも犯罪と何か関連が……?

「こちらはむしろ“根本的な謎”を解明しようということから研究しています。心理学に限りませんが、日本の社会科学系の学問は重箱の隅をつつくような研究が多い。素人が読むと全然面白くない。2021年に私が出版した本で、そのキス問題を取り上げていたんですが、学生たちと『重箱の隅よりも、キス問題のような根本的だけど誰も説明ができないようなものを研究しないとダメだ』と話していたら、『それをやりましょう』と、研究室でも取り組むようになったんですよ」(同)

 越智教授は自著の『すばらしきアカデミックワールド』で、この問題を取り上げた。すでに海外では先行してさまざま研究がなされているトピックだった。

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