あなたも亜鉛不足かも 欠乏状態のサインと、取るべき食事は? 「亜鉛を取っても吸収を妨げる食品が」

ドクター新潮 ライフ

  • ブックマーク

ビタミンC、クエン酸と一緒に

【亜鉛の吸収を妨げる食品を少しだけ意識する】

 亜鉛の吸収を妨げるものはいくつかあります。玄米や豆類などに含まれるフィチン酸、ホウレン草などのシュウ酸、コーヒーやお茶などのタンニンやカフェイン、牛乳に含まれるカルシウムやカゼイン、たくさんの食物繊維、食品添加物(リン酸塩など)、アルコールなどです。玄米は白米より栄養素が豊富で健康にいいのですが、亜鉛の吸収を考えるとNG食品になってしまいます。私が行った研究では、亜鉛の錠剤と玄米を同時に取った場合、血中の亜鉛濃度がほとんど増加しなかったという結果が出ています。

 しかし組み合わせを細かくチェックしながらの食事は、面倒で楽しさに欠けるでしょう。亜鉛摂取は、継続が大事。「レトルト食品や缶詰めなど加工食品に偏った食事は控える」「亜鉛の摂取を意識する時はアルコールは控え目に」はできれば心がけていただき、それ以外の“亜鉛の吸収を妨げる食品”に関しては少しだけ意識するようにしてください。「摂取のタイミングをずらす」「毎食続けない」といった方法がいいですね。“チリツモ方式”に通じますが、満遍なくいろんな食品を食べてください。なお、亜鉛の吸収を妨げる食品も、調理法や製造過程で、その作用が弱まっていることがあります。納豆は大豆が原料であるものの、発酵によってフィチン酸が分解・低減されるため、亜鉛の吸収阻害作用が弱まっています。

【ビタミンCやクエン酸と一緒に取る】

 亜鉛の吸収を助けるのが、ビタミンCとクエン酸。牡蠣にレモン汁は、栄養的にもベストマッチングです。ビタミンCは野菜類に多い。野菜には食物繊維が多いですが、食物繊維が亜鉛の吸収を妨げるといってもゼロにするわけではありませんから、肉を食べる時は野菜(ピーマンやブロッコリーがお勧め)と一緒に。そして食後に2口ほどの量のキウイやみかんなどの果物を食べるのもいいでしょう。

 亜鉛が不足していることを示すサインとして、「風邪をひきやすい」「味が分かりづらい」「脱毛」「口内炎」「食欲低下」「皮膚の炎症」「傷が治りにくい」「元気がない」「生殖機能の低下」「(子どもの場合で)身長の伸びの悪さ」などがあります。例えば鉄欠乏であれば「貧血」とシンプルな構図が成り立ちますが、亜鉛は働きが多岐にわたる分、症状を一つに絞れず分かりづらい点が厄介ですね。

次ページ:亜鉛不足のサイン

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[4/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。