54歳夫が語る「なぜ妻子を捨てて不倫相手との暮らしに走り、16年ぶりに家に戻ったのか」 すべての始まりは中学時代の同窓会

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母も巻き込んだ幸せな家庭

 29歳のときに長男が、その2年後には次男が生まれた。近くに住む峻介さんの母親が、共働きの夫婦を支えてくれた。彼女は綾那さんが大好きで、ふたりは本当の母娘のように言いたいことを言い合って、それでも仲よくやっていた。

「綾那はものすごくオープンなんですよね。僕の母は、ごく普通の女性だったのに、綾那の影響で『おかしなおばさん』になってしまった。もちろんこれは褒め言葉です。それまではファッションなんかに興味がなかったのに、綾那が母に『お義母さんなら、これが似合う』と派手な服を勧めるわけですよ。それを本人も気に入って、当時、60歳近くなってから真っ赤なワンピースなんか着てましたからね。母は綾那の勧めでスポーツジムにも通うようになって、すごく健康にもなったと喜んでいました」

 綾那さんは「義母」だから仲よくしようとしたわけではなく、「誰に対してもオープンで、自分が信頼した人とは緊密な関係を築く」タイプなのだという。近所にも信頼している年配の女性がいて、彼女には平気で子どもを預けたりもしていた。

「好き嫌いで信用するかどうかを決めるわけではなく、何か彼女のセンサーにひっかかったら周りがいくら信頼していても彼女は一歩引いて考えてしまう。その相手は、のちのち何かで人を裏切ったりするんですよ。綾那の、人を見る目は確かだという気がしました」

 男の子ふたりはやんちゃに育ち、家の中はいつもごった返していたが、峻介さんも綾那さんも子どもたちを包み込むように育てた。学校でケガをしたり、友だちとけんかして泣いて帰ってきたりと、ごく普通の子育て家庭だったが、ふたりは常に子どもたちに愛を注ぎ続けた。

「綾那はいつも子どもふたりを抱きしめて『かわいい、かわいい』とやってましたね。小学校に入るころには長男が、もうやめてと言いだして……。それでも綾那はやめなかった。子どもふたりは母親に愛されていることはじゅうぶんわかって大きくなっていったと思います」

峻介さんの“裏切り”

 そんな家庭を“裏切った”のは峻介さんだった。38歳のときに、幼なじみに誘われて中学校時代の同窓会に初めて顔を出した。次男も小学校に入って、ふっと気が緩んだ時期でもあった。

「中学時代、ものすごく好きだった涼子と再会したんですよ。当時もきれいな子だったけど、再会したときはまさに大人の女という感じで圧倒されました。一時期、モデルのような仕事もしていたらしいですが、再会したときは自ら美容関係の会社を興してバリバリ仕事をしていたようです。15歳年上の男性と結婚したけど子どもはいない、と。ゲスな言い方ですが、15歳も年上のオヤジが彼女を自由にしているのかと思うと、猛然と嫉妬心がわいてきましたね」

 彼は中学時代、ずっと涼子さんが好きだった。ただ、平凡すぎる自分が告白しても、涼子さんは振り向いてくれないに違いないと思い込んでいた。友だちとしては普通に話せたので、下手に告白してフラれるのも嫌だった。

 同窓会後、涼子さんに誘われて近くのバーへ行った。当時、大好きだったんだよと冗談めかして言ってみると、涼子さんは顔を近づけてきた。

「あなたさ、さっき私が15歳年上の夫がいると言ったとき、すっごくゲスい顔してたよって囁いたんですよ。見抜かれていたんですね。そして『うちの夫、できないのよ』とも言った。その言葉がきっかけとなって、そのままホテルへ行ってしまった。なんでしょうね、あのどうしようもない情熱に突き動かされた感じは、生まれて初めてで抗うことなどできなかった。今すぐ、とにかく今すぐ、彼女とひとつにならなければと必死でした」

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