高校時代は無名、それでもWBCへ 侍ジャパン“遅咲き組”が歩んだ逆転の道

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 いよいよ3月5日に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。連覇を狙う侍ジャパンは過去最多となる9人のメジャーリーガーが出場するなど、まさに代表にふさわしい顔ぶれがそろった。しかしその経歴をひもとくと、大谷翔平(ドジャース)や岡本和真(ブルージェイズ)のように早くから将来を嘱望された選手ばかりではない。高校時代は無名に近い存在だった選手も含まれている。【西尾典文/野球ライター】

大学で着実に成長

 投手でまずその筆頭格と言えるのが、負傷した石井大智(阪神)に代わって追加招集された隅田知一郎(西武)だ。

 隅田は長崎県出身で、波佐見高3年夏に甲子園へ出場。しかし怪我明けの影響もあって背番号は10。増居翔太(ヤクルト)を擁する彦根東に敗れて初戦で姿を消した。当時の最速は143キロを記録したものの、172cm、66kgと小柄で、スカウトの間で大きな話題になる存在ではなかった。卒業後に進学した西日本工業大も強豪とは言えず、当時の評価がうかがえる。

 それでも大学で着実に成長した。体格が良くなり、3年秋にはプロのスカウトが注目する存在に。4年春にはチームを大学選手権出場に導き、初戦の上武大に0対1で敗れながらも14奪三振の快投を見せた。

 大学での成長について、NPB球団のスカウトは、以下のように話している。

「大学生の場合、下級生のうちに一気に伸びる選手が多いのですが、隅田は3年生以降の伸びが本当に際立っていましたね。2020年はコロナ禍で全体練習ができなかったですが、それが結果的にプラスに働いた可能性もあると思います。大学選手権での投球も見事でしたが、4年秋のリーグ戦では、完全に相手を見下ろすような余裕すら感じさせる内容でした。九州の大学リーグから、ここまで完成度の高い投手が出てくるのは、そう多いことではないでしょう」

 2021年ドラフトでは4球団が競合。プロ入り後は1年目こそ1勝10敗と苦しんだが、2年目以降は勝ち星を重ね、エース格へと成長した。

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