SNSで拡散する「高市さんらしくない」の声…自民「全衆院議員」に3万円のカタログギフト配布が「贈答文化の根強い永田町でもかなり異例」と指摘される理由
文春オンラインは2月24日、「高市早苗首相が『当選祝い』カタログギフトを衆院議員に配っていた!『週刊文春』取材に複数の事務所が受領を認める《政策秘書の実弟が議員会館で…》」との記事を配信した。高市首相は自身のXで事実関係を認め、《大変厳しい選挙を経て当選したことへの労いの気持ち》を込めて配ったと説明した。
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文春の記事によると、配られたのは近鉄百貨店のカタログギフト。理由を高市首相はXに《一人一人に適当な品物を選ぶ時間》がなかったと書き込んだ。
確かに贈る相手は315人だから時間はいくらあっても足りないだろう。のし袋には「御祝 高市早苗」と書かれていたそうだ。
多くのメディアは価格を「1人あたり約3万円」と報じており、この場合の合計金額は約945万円。さらに一部のメディアは「約3・4万円」と細かく伝えており、こちらの金額は約1071万円と1000万円を超える。
いずれにしても、たとえ945万円であっても1071万円であっても、“庶民感覚”とは乖離した金額なのは間違いない。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「与野党を問わず、永田町という場所には“贈答文化”の伝統があるのは事実です」と言う。
「何かあればスーツの仕立券が飛び交い、選挙が終わったり人事が発表されたりしたら、議員会館には胡蝶蘭が届きます。昨年3月には首相だった石破茂さんが、当選1回の衆議院議員15人に10万円分の商品券を懇親会の後で配ったことが注目されました。とはいえ高市さんが今回カタログギフトを贈ったことは、永田町の伝統とは異なるものを感じたのは事実です。自民党の全衆議院議員に“当選祝”を贈った政治家は、これまで一人もいなかったと記憶しているからです」
昭和の衆院選は中選挙区制。自民党は政党ではなく派閥単位で候補者を擁立した。派閥のトップは「領袖」や「ドン」と呼ばれ、配下の選挙資金を援助するのは当然のことだった。ドンが「陣中見舞い」の名目で裏金を渡すことさえ珍しくなかった。
「違法でなくとも脱法」の可能性
そんな昭和の時代であっても「派閥のドンが当選した衆院議員に“当選祝”を配ったという話は聞いたことがありません」と伊藤氏は振り返る。
まして現在の衆院選は小選挙区比例代表並立制で行われている。候補者は基本的に自民党の代表として出馬したのであり──高市首相が自民党総裁であるのは事実だとしても──“高市派”の一員として選挙を戦ったわけではない。のし袋に書かれていたように彼女が個人名で当選を祝うという行為にはやはり違和感がある。
「相手は315人ですから、高市さんは情報がメディアに漏れるのを分かっていた上で配ったと考えられます。さらに高市さんはXの投稿や衆議院の質疑などで『適法であり、政党助成金は使っていない』と潔白を主張しました。ただし重要なのはカタログの費用は奈良県第2選挙区支部から支出したと説明した点です。なぜなら、まさに支部の口座に政党交付金が自民党を通じて振り込まれるからです。『カネに色はつかない』という言葉もあります。本当に『政党交付金は使っていない』と証明できるのか。現時点では政治倫理の問題として国民的な議論が巻き起こっていますが、一部の専門家は『脱法の疑いは残る』と指摘しています。現時点での高市さんの説明では『確かに適法だとしても、脱法の可能性がある』と批判されても仕方ないでしょう」(同・伊藤氏)
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