日本人の平均体温が低下… あなたも「隠れ冷え」かも? 四つのチェックポイントとは
発想の転換
続いて、冷えの4類型について説明したいと思います。一口に冷えと言っても、さまざまなタイプが存在します。以下の4類型のどれに当てはまるか確認してください。紹介する順に、冷えが“重症化”しているといえます。
・末端冷え
指先やつま先など、体の末端に冷えを感じる。体全体の体温にはまだ影響が出ていない。
・下半身冷え
更年期の女性に多く見られるタイプで、筋肉量の不足が主たる原因です。下半身には全身の筋肉量の6~7割が集まっています。
・内臓冷え
血液が内臓に十分に循環していない状態です。内臓機能が低下し、胃腸の不調などを訴えるケースが多く、お腹を触ってみると驚くほど冷えているのが特徴です。
・全身冷え
手足から内臓まで、文字通り全身が冷えていて、この状態だと平熱が35度台になっていることも珍しくありません。
冷えであるか否か、またその重症度をセルフチェックした上で、どうやって冷えに対処するか、ここからはその方法を紹介していきましょう。
初めからがっかりさせてしまうかもしれませんが、冷え対策に“特効薬”は存在しません。なぜなら、先ほど説明したように、冷えの根本病態は血流の停滞にあり、「血流そのものをよくする薬」、そして「血液を温かくする薬」はないからです。
血管を広げたり、血液をサラサラにしたりする効果がある薬は存在しますが、それらは血流改善を“後押し”するに過ぎません。従って、血液の「流れ=勢い」自体を根本的によくするには、運動をして筋肉量を増やしたり、もしくは食事内容を見直すというように、生活習慣を地道に改善していくしかないのです。
特効薬はない……。そう言われるとやる気が失せてしまうという人には“発想の転換”をお勧めします。生活習慣上の対策しかないということは、逆に言えば、それ“だけ”で対策は十分であることを意味しているからです。薬を使ったり、治療や手術などを受けたりすることなく、自分“だけ”で「万病予防」が可能になる。こんなに“お手軽”な健康法はないのではないでしょうか。
最もお金のかからない方法
まずは当然のことながら、熱を産み出してくれる筋肉の量を増やすことが対策として有効です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を心がけてください。わざわざジムなどに通わなくても、エスカレーターやエレベーターの使用を控えて階段を使うことを意識したり、自宅の最寄り駅の一駅前で降り、歩いて帰宅したりすれば、タダで有酸素運動ができます。
体を内側から温めるには、筋肉量を増やすと同時に食材にも気を配りたいところです。冷えはもともと東洋医学の概念だと言いましたが、2000年の歴史を誇る東洋医学では、古人の経験に基づいた“冷え対策食材”もしっかりと解説されています。
「熱」(体を温める効果が高い)、「温」(熱に次いで温める効果が高い)、「寒」(体を冷却する効果が高い)、「涼」(寒に次いで冷却効果が高い)と、食材が4分類されていて(どちらでもない「平」を加えると5分類)、このうち「熱」と「温」の食材を積極的に摂取しましょう。「熱」「温」食材とは基本的に、土の中で育つもの、旬が冬のもの、寒い土地が原産のもの、また水分が少なく色が濃いものです。
具体的には、山芋、ジャガイモ、ゴボウ、レンコン、ニンニク、ネギ、カブ、タマネギ、ニンジン、鶏肉、ショウガ、玄米、コショウなど。東洋の食材ではありませんが、チーズや赤ワインも温熱効果があります。逆に、キュウリ、小麦、馬肉などは体を冷やす食材です。
体内から温めるのに最もお金のかからないものとしては白湯が挙げられます。朝起きて内臓を目覚めさせるために、また就寝前には水分補給も兼ね、水を温めるだけで済む手間のかからない白湯は、冷え対策に最適な超お手軽飲料です。
他にも、体を温めるのに入浴は欠かせません。シャワーだけでなく、湯船に漬かるようにしてください。お湯をためた浴槽の中に日常的に全身をひたすという習慣は、ほぼ日本にしかなく、この点で日本人は恵まれた“冷え対策環境”にあるといえます。この日本人のメリットを有効に活用しない手はありません。
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