日本人の平均体温が低下… あなたも「隠れ冷え」かも? 四つのチェックポイントとは

ドクター新潮 ライフ

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下半身にも意識を

 注意してほしいのは、38~40度のぬるめのお湯に漬かることです。体を温めるための入浴ならもっと熱いお風呂に入るべきではないかと思う人もいるでしょう。しかし熱過ぎると、自律神経の交感神経が優位になって血管が収縮してしまいますし、多くの汗をかき、その発汗の気化熱によって、結果的に入浴後に急激に体温が下がってしまう恐れがあります。

 なお、半身浴を推奨する人もいるようですが、心臓に病気を抱え負担をかけてはいけない人などを除き、冷え対策として考えれば、体全てをお湯で温める全身浴のほうが効果的です。

 冬の寒い外気から身を守るには、衣服も重要なアイテムです。寒いとどうしてもコートやジャンパーを真っ先に羽織りがちではないでしょうか。もちろん、それも重要ですが、下半身を温めることを忘れてはいけません。重力の影響で、下半身には血液がたまりがちになります。この点から考えると、上半身ばかり意識していては冷えの解消にはつながりにくいといえます。スパッツやレギンス、長めの靴下などを活用してください。

 衣服同様、体を外から温めるアイテムとして使い捨てカイロを愛用している人も多いと思います。せっかくカイロを使うのであれば、やはり効率を求めたいところ。高い効果が期待できるのは、例えば肩甲骨の間にカイロを貼ることです。心臓から出た動脈が通っているので、カイロによって温められた血液を全身に効率よく送ることができます。もう一カ所お勧めするとすれば、骨盤の真ん中にある仙骨。自律神経の副交感神経の中枢があるため、温めることによって効率的な血管拡張効果が期待できます。

愛用グッズを紹介

 最後に、私が愛用する冷え対策グッズ、湯たんぽの使い方を紹介します。ゴム製のものを常にクリニックに置いておき、それをまずは太腿の上に置き、次にお尻などにあてていきます。元手は、最初に湯たんぽを買うのにかかる数千円だけで、後は湯たんぽに入れるお湯を沸かすための光熱費のみ。ランニングコストほぼゼロで、5分もすると体がポカポカになるはずです。なお、初めに太腿の上に置くのは、太腿の筋肉は体の中で最も大きな筋肉であり、ここから温めることが効率的だからです。

 熱中症で死に至ることはあっても、体が冷えて亡くなることは冬山で遭難でもしない限りまずありません。そのため、冷えは軽視されがちです。しかし、冷えを放置していると結局は万病につながってしまう。長い目で見た場合、人生100年時代を迎えているいま、健康寿命の延伸には冷え対策が欠かせないと私は考えています。

川嶋 朗(かわしまあきら)
神奈川歯科大学大学院統合医療教育センター長。北海道大学医学部医学科卒業。東京女子医科大学大学院医学研究科修了。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長などを経て現職に。2022年に統合医療SDMクリニックを開設。『人生100年時代の冷えとり大全120』など、「冷え」に関する著書が多数ある。

週刊新潮 2026年2月12日号掲載

特別読物「真冬の重大問題 万病のもと『冷え』を防ぐ」より

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