結婚式の当日に「正社員だから選んだ」と知らされモヤモヤ… 美人妻へのときめきも半年で冷めた45歳夫の“女運”

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そして妻の梨惠さんと出会うが…

 34歳のとき5歳年下の梨惠さんと出会った。学生時代の友人の結婚式で、たまたま隣のテーブルにいた新婦の友人である梨惠さんに彼が一目惚れしたのだ。新郎は彼と同じように司法試験を目指したものの、挫折して就職したタイプ。ときどき会って「なんとなく励まし合う仲」だった。

「その彼の結婚式で梨惠に出会ったのも何かの縁かなと思いました。その場で声をかけるのも無作法な気がして、あとから新郎新婦を通して紹介してもらったんです」

 彼好みの美形だったから、それ以上のことはあまり考えなかった。なぜか私生活にはあまり重きを置いていなかったと彼は振り返った。もしかしたら育った家庭の影響かもしれないが、自分でそれを認めたくはないとも言った。

「梨惠は結婚してすぐ仕事を辞めました。僕ひとりの収入で家計を支えられないと思ったけど、梨惠は『親から援助してもらえるから大丈夫、あなたが正社員だからうちの親も援助は惜しまないと言っている』と言い切った。なぜそれほど正社員にこだわるのかはわからないけど、娘の夫はせめて正社員であってほしいと親が思っていたようですね」

 エリートでもない、2度も転職している、それでも「正社員」という肩書きだけが物を言う。なにやら後ろ寒い気がしたが、「正社員というただ一点で認められることもあるのを皮肉な気持ちで眺めていました」と彼は捨てゼリフのように言った。

 結婚して1年後には息子が産まれた。「こうやって家庭は形作られていく」と寛太さんは感じたが、そんな冷めた思いとは別に、子どもは無条件にかわいかった。

「期待通りに育たなくても、この子が生きていてよかったと思えるような場は作ってあげたい。そう思いました。僕が初めて他者のことを真剣に考えた瞬間かもしれません」

 家庭を大事にしようというよりは、息子を大事にしたい思いが先だった。そのためには家庭を大事にしなければいけないと考えた。

 ***

報われない恋愛経験の末に結婚した梨惠さんとの生活も、寛太さんの心は埋まらなかった。【記事後編】では、彼が出会った意外な相手との恋に迫る。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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