『太陽を盗んだ男』長谷川和彦監督、最期まで消えなかった意欲 「体が弱っても連合赤軍の話を」【追悼】

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「間違いなく意欲を持ち続けていた」

 82年には根岸吉太郎さんや黒沢清さんら気鋭の監督とディレクターズ・カンパニーを設立。年長者の自分は後回しでいいと監督作を出さないうち、92年に倒産。

 68年に結婚し1男1女を授かった。妻が家計を支えていると公言してはばからなかったが、92年に離婚。同時期から女優の室井滋さんとの暮らしが続いていた。

 80年代初めから次作は連合赤軍が題材と一貫して語る。着手するが揺れ動いた。

「豪快に見えますが慎重で繊細。生活を支えてくれる人が常にいた。体が弱り、昨年は口のそばに私が耳を寄せないと話が聞き取れないほどでした。それでも連合赤軍の話をしていた。間違いなく意欲を持ち続けていました」(山本さん)

 1月31日、誤嚥性肺炎による多臓器不全のため80歳で逝去。職業としての映画監督ではなく何を作りたいかが一番大切との信念を全うした。わがままとも評せようが、身近な理解者に恵まれ、忘れ去られずに新作が待ち望まれた果報者だ。

週刊新潮 2026年2月19日号掲載

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