同期入社の7割が退社も… テレビ局“大量離職時代”でリハック「高橋弘樹」が語る「私がテレ東を辞めた理由」

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テレビの可能性は“お茶の間”に

 リハックは現在、チャンネル登録者数が170万人を超えている。

「“テレビができないことをやろう”というカウンターは意識しています。ユーチューブは尺(時間の長さ)が決まっていないから、相手の本音を長尺でじっくり聞ける。よほどの役者でもない限り、長時間だと本音が出やすいし、言語外情報として表情にも滲み出てくるものだと思います」

 昨今、若年層などを中心に“テレビ離れ”が進んで久しいとされているが、

「若い人が見ていないのは寂しいですし、今後はさらにメディアとしての影響力も弱まっていくのでしょうが、現状ではまだ、ネット番組と比べたらテレビは強いと思います。リハックはビジネス動画メディアなので、若いビジネスパーソンを対象にすれば局所的には優れている部分もあるでしょうが、一つのチャンネル対一つのキー局で比べたら、テレビが圧倒しています」

 とはいえ、徐々に衰退していくとの見方は根強い。そんな中で高橋氏は、今後の可能性について、

「テレビの長所は、いわゆる“お茶の間”にあると思います。家族でご飯を食べ終わって一緒に見る、世界の絶景とか動物番組、あるいは『衝撃映像100連発』。こうした“無害なバラエティ”はテレビの伝統芸とも言えます。ユーチューブだと、どうしても能動的にクリックさせようとする番組作りになるので、お茶の間向けとは言えなくなる。子育て世代や老後に相応しいのは、やはりテレビでしょう。各局ともゴールデン帯(19~22時)は今後、こうした番組に特化していくのではないでしょうか」

同期入社の7割が退職

 高橋氏のような、制作者の“テレビ局離れ”の動きもまた、顕著になっている。

「私自身は、退職してよかったと思っています。ネットの醍醐味を含め、知らないことや気付かなかった見方がたくさん身につきました。それでも、もしクリエイター志望の学生がいれば、社会人として一から教育してもらえるので最初はテレビ局を勧めます。ただし、昔は映像を作りたいと思ってもテレビ以外に場所はなかったのですが、今ではアマゾンプライムもネットフリックスもある。若い人が“辞めたければ辞められる”時代です。会社側が “いかにして居続けてもらうか”を考えなければ、出ていかれてしまいます」(高橋氏)

 例えば、18年にTBSに入社し、24年2月に退社した大前プジョルジョ健太氏(30)である。入社5年目で自ら企画した深夜バラエティ『不夜城はなぜ回る』を担当。深夜に灯りのともる建物に体当たり取材するといった内容で、大前氏自らリポーターやナレーションをこなした。同番組は、優れた作品に贈られるギャラクシー賞も受賞している。

「23年3月に『不夜城』が終わって“このままでいいのだろうか”という思いに囚われるようになりました。制作現場での不満はありませんでしたが、当時は周囲に“こうなりたい”という目標のような先輩がいなかった。面白い番組を作っていても、家族を大事にしていなかったりと、“生き方が格好いいな”と憧れる人が見当たらなかったのです」(大前氏)

 同期入社は30人ほどいたというのだが、

「局内では“一番辞めた世代”と言われていて、すでに7割ほど退社していると思います。転職先は旧財閥系の商社や不動産、コンサルが多い。みんな“給料が上がった”と言っています」(同)

有料記事【テレビマン“大量離職時代”到来 元「テレ東」「TBS」「フジ」「NHK」の名物クリエイターが語る「私がテレビ局を辞めた理由」】では、高橋氏や大前氏のほかフジテレビやNHKなどの大手テレビ局を離れたクリエイターの体験談、TV業界の離職者が後を絶たない理由について詳述している。

デイリー新潮編集部

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