空前の“シール交換”ブームも店側は「ウハウハどころか、早く終わってほしい…」と悲鳴 “薄利多売”でも“転売屋”でもない子供たちを巻き込む“不健全な問題点”

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交換するシールに“レート”が存在する

 大型のショッピングモールでは、文具店が主催するなどしてシールの交換会が行われている。地方ではNPO法人が開催する例もある。シールを通じた子供たち同士の交流の機会になっているため、本来であればいいことのように思える。しかし、ここでもトラブルが続出しているという。秋田県在住で、8歳の女の子の保護者R氏がこう打ち明ける。

「最大の問題は、子供たちの間で、シールに“レート”という概念が存在することで、唖然としました。シール交換の際、単にAというシールとBというシールを交換すればいいというわけにはいかないのだそうです。Aがめちゃくちゃ人気で入手困難なシールだった場合、あまり人気のないBのシールとの交換には応じられないのだとか……」

 そのレートはもちろん、シールの人気によって変動する。R氏が言うには、「ボンボンドロップシールとお菓子のおまけのシールは“交換不可”」なのだという。SNS上でも同様の声が上がっており、全国共通の概念になっている。まるでシールが通貨のようであり、大人顔負けのトレードの世界が子供たちの間に広がっているのは間違いないだろう。

いつの時代も親はブームに振り回される

 既に述べたように、シールブームは平成レトロ・平成女児ブームの流れで発生したといわれる。そのため、親が子供と一緒に楽しんでいる家庭も多く、家庭内の会話のツールにもなっているようだ。しかし、そうではない場合は、親から「早く終わってほしい」という声が聞かれることがしばしばである。R氏が言う。

「うちの子供はまだシールに関心が低い方だと思いますが、同じクラスの子はコレクター並みにシールを集めているそうで、お母さんは大変みたいですよ。平日も仕事の合間を見て雑貨店を行脚したり、ネットで販売店の情報を集めたりしているそうです。いくら子供のためとはいえ、そこまでやるとは……。

 でも、私が子供の頃も『たまごっち』のブームが起きて、母はおもちゃ屋を探し回ってくれていました。今回のシールブームをきっかけに、自分の親がいかに大変な思いをして自分を育ててくれたのか、よくわかりましたよ」

 思えば「仮面ライダーカード」や「ビックリマンシール」、「ポケモンカード」、「ボンボンドロップシール」……と、様々なものがブームになってきた。そして、いつの時代も、親はブームに振り回され続ける存在なのかもしれない。

ライター・山内貴範

デイリー新潮編集部

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