「笑われている」気がしない…レインボー池田の「美容」が女性に刺さる理由 従来の“女装ネタ”とは一線を画す「誠実な中身」
実力派のコント芸人
ここ数年、お笑いコンビ・レインボーの池田直人がテレビ、雑誌などさまざまなメディアで頻繁に取り上げられる存在になっている。もともとは実力派のコント芸人として知られていて、コントの大会「キングオブコント2025」でも決勝進出を果たした。ネタの中では池田が女性役を演じることが多く、女装のクオリティが高いことでも有名だった。【ラリー遠田/お笑い評論家】
***
【写真】「ピンクメイク超かわいい」「ギャップ最高です」…“女装”したレインボー池田
ただ、現在はそれだけにとどまらず、美容に関する知識や発信力を武器に「美容芸人」という独自の立ち位置を確立し、とりわけ女性から強い支持を集めている。男性の芸人でありながら女性誌に取り上げられたり、コスメブランドのプロデュースを手がけたり、美容情報の発信者としても一定の信頼を得ている。
美容に詳しい芸能人がそういう方面の仕事を増やすこと自体は珍しいことではないが、男性タレントでここまで本格的に美容系の仕事に取り組んでいるケースは珍しい。もちろん、端正な顔立ちのイケメンだから女性ファンが多いという側面もあるが、今の人気の過熱ぶりはそれだけでは説明できない。その背景にはいくつかの要因がある。
池田が支持される最大の理由は、もともと女装という表現を単なる笑いのための手段として扱っていなかった点にある。一昔前の男性芸人による女装は、女性の仕草や言動を誇張するようなものが多かった。男性が女性を真似ようとするときの違和感やズレを直接笑いに結びつけようとしていた。
しかし、池田のコントにおける女性像には、過剰なデフォルメがない。むしろ、徹底した観察を通して抽出されたリアリティが根底にある。恋愛や人間関係における微妙な心理の揺れや、日常的な感情の動きが丁寧に描かれているため、女性が見ても「笑われている」という感覚にならず、「わかっている」「あるある」と感じられることが多い。池田は男性目線の女性像を描いているのではなく、女性そのものを内面化して演じているのだ。
[1/2ページ]


