3人の元大リーガーが語る、WBCのキーマンとは? “時価最高の選手”をそろえたアメリカに勝つ秘策
時価最高の選手たち
肝心の対戦相手は、1次ラウンド(東京)で同組の豪州、韓国、チェコそして台湾。2位までが米国でのトーナメント戦に進む。MLBアナリストの友成那智氏は、
「マイアミでの準々決勝では、ベネズエラかドミニカと戦うことになるでしょう」
そう前置きしながら、
「ベネズエラには大谷が苦手とするスアレス、ルサルド(ともに昨季フィリーズ)という二人の左腕がいます。二人とも横手投げで、スライダーなど、左打者からすれば背中をよぎるように曲がります」
ドミニカもまた、
「同じくフィリーズ所属で、昨季は12打数1安打と大谷を手玉に取った左腕のサンチェスがいる。彼らは160キロ前後の速球で容赦なくインコースを攻めてくるので、デッドボールのリスクも高まります」(同)
準決勝以降ではプエルトリコ、そして米国と世界最高峰の相手が待ち受ける。プエルトリコは現在、保険問題で出場が危ぶまれているのだが、米国はといえば、
「前回の雪辱を果たそうと、今回は本気で勝ちにきています。まず、共にサイ・ヤング賞投手のスキーンズとスクーバル。捕手はメジャー随一のローリー、内野にはゴールドグラブ賞2回のボビー・ウィットJr.。そして主将はメジャーの主砲・ジャッジ。まさに“時価最高の選手たち”をそろえた感があります」(同)
「先行逃げ切り」で
そんなドリームチームを相手に日本はいかに戦うべきか。かつてブレーブスでプレーした川上憲伸氏は、
「優勝の可能性は十分にあります」
としながら、こう話す。
「山本投手を軸に菊池投手、そしてリリーフもできるオールマイティーな伊藤大海投手が先発の柱になるでしょう。大谷選手以外に打線の核となるのは、いずれもWBC経験者の鈴木、岡本、村上の3選手。パワー重視か機動力・守備固め重視か、相手次第でスタメンを組み替える必要がありますが、とりわけ右の鈴木選手は、大谷選手と前後に組むことで脅威となるでしょう」
言うまでもなくトーナメント戦は負けたら終わりで、
「たった一つの四球が試合の流れを左右します。そこでは“ジャブを打てるバッター”、つまり選球眼の良い打者の出番です。相手の球数を増やして制球の乱れを誘う、それこそ現役時代の井端弘和監督のような、しぶとい打撃が物を言います」
“頂上対決”の米国戦では、
「山本投手が先発し、“1点集中”のロースコアで先行逃げ切りを目指せば、勝機は見えてきます」(同)
というのだ。2006年の第1回大会で「神の右手」と称される本塁生還を果たし、優勝を引き寄せた元ブルージェイズの川崎宗則氏は、
「“大谷投手”の穴を埋められるのは中日の高橋宏斗投手だと思います。私は現在、臨時コーチ兼選手で中日のキャンプに参加していますが、持ち味である150キロ台のストレートが、ブルペンでは速過ぎて見えませんでした。彼と対戦したことがないメジャー強打者らは皆、驚くことでしょう」
さらに続けて、
「準々決勝は1次ラウンドから十分な間隔もなく、時差など体調管理が大変ですが、今回はダルビッシュ有投手がアドバイザーで宮崎合宿に同行する。長距離移動に関しても対策を伝授してくれるはずです。また今大会から導入されるピッチクロック(投球間の時間制限)についても、不慣れな国内組へのアドバイスが期待できます」
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