「30歳を超えても衰えを感じさせず…」 元幕内・戦闘竜、粘り強く戦った15年【追悼】
「曙より先に勝つ」
引退早々、プロ格闘技界から声がかかっている。
格闘技記者の大谷泰顕さんは思い返す。
「03年の大みそか、K-1に参戦した元横綱の曙がボブ・サップに1ラウンドでKO負け。格闘家への転身を表明した戦闘竜は“格闘技で曙より先に勝つ”と公言した。PRIDEでデビューして2試合目で勝利。リング上で“相撲は強いんだよ”とマイクを持ちアピールした姿を覚えています。曙と競う意識より、元力士として相撲の名誉を取り戻し、相撲の誇りを持って戦うという心意気が伝わってきた」
原因不明の難病
力士時代の01年に結婚。妻の父が経営する会社で朝から夕方まで働き、深夜までトレーニング、試合に臨んでいた。13年、43歳で格闘家を引退。その後波乱が。
18年に離婚。23年に5歳年下の女性と再婚、食品会社の営業職に就いた。だが、24年10月、原因不明の難病、サルコイドーシスと診断される。戦闘竜の場合、肺に小さな瘤のような腫れ物ができ、肺機能が著しく衰えた。
昨年5月に入院。鼻に管をつないでの酸素吸入が欠かせず、肺移植の準備を進めていた。毎月約30万円の入院費用を夫妻では捻出できず寄付を募っていた。
1月29日、56歳で逝去。
魁皇は親方となっても戦闘竜の盟友だった。亡くなった当日も見舞いに向かう途中で、わずかな差で会えなかった。形は違えど若き日の志を貫き、相撲道を全うした両人である。
[2/2ページ]

