「家事なんて嫌ならやらなければ」ドライなバリキャリ妻に疲れた…見た目ドンピシャでスピード結婚、2年で離婚を考えた
ルールのないまま始まった暮らし
晃匡さんとて暇なわけではなかった。新卒で入社した中堅企業では、すでに大きな仕事を任されるようになっていた。
「ふたりで生活する指針もルールも何もないままに生活が始まってしまった。そんな感じでした。彼女は帰宅してからも仕事関係の勉強をしていることが多く、ふたりの時間はなかなかとれない。どちらが掃除するのか、どちらが食事を作るのか。どうしたらいいかわからないまま、僕は僕で彼女のマンションで暮らすしかなかった。彼女は完全にマイペースで、ひとり暮らしのときと同じように生活していただけみたいで……。ある日、早めに帰れたのでパスタを作っていたんです。すると結衣が帰ってきた。『ふたりとも早いなんてめずらしいね』と盛り上がった。彼女は手早くサラダとスープを作ってくれた。料理なんてできないのかもしれないと思っていたけど、とても上手でした。結婚してから3週間くらいたって、ようやく一緒に食事をして会話をする時間ができたんです」
そのとき、彼女の仕事は海外が相手なので時間的に不規則であること、集中して超多忙な時期があること、今、新しい仕事にチャレンジしているため勉強時間も必要なことなどを聞いた。
「食べることは大事だから、可能な限り自分で作って食べたいけど、そうはいかないときも多いと言っていました。案外、普通の感性ももっているんだなと思った。結婚前は憧れの女性だと思ったけど、結婚したら仕事漬けの日々で、人間らしい暮らしをしなくてもいい人なんだと思い込んでいたので」
「僕が損な役回り」
だが、生活のルールを作ろうと言うと彼女は嫌がった。家事なんてできるほうがやればいいと言うのだ。それもそうだねと言ったものの、晃匡さんはすっきりしなかった。その証拠に1週間たっても、結衣さんは掃除機ひとつかけようとしない。部屋の隅にホコリがたまっているのに耐えられなくなったのは晃匡さんだった。
「そうやって少しずつ家事は僕がやることになっていった。お風呂だって、彼女はシャワーだけでかまわないというんですよ、たとえ冬でも。でも僕はやっぱり湯船に浸かりたい。そうなると掃除するのは僕ということになる」
やるべき家事が増えていくと、「どうして僕が、こんなに損な役回りなんだろう」と思うようになる。だがそれを言っても彼女には伝わらない。「家事なんて嫌ならやらなければいいのよ」と言われるのがオチだった。
「僕は子どもがほしかったけど、結婚してみたら彼女はいらないという。それでも僕は当時、結衣に惚れていたんですよ。結衣の言うことなら何でも聞いていた。多少の不満は自分の中にしまいこんで。ひょっとしたら早まったのかもしれないと思い始めたのは、結婚してから2年もたってから。今のうちにそれぞれ別の人生を送ったほうがいいのかなと考えるようになったころ、結衣が『妊娠した』と。彼女はピルを飲んでいたんですが、ふと子どもがいてもいいかなと思って飲むのをやめたそうなんです。僕には一言の相談もなく。そうしたらできた、と」
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