「Switch2」爆売れも「任天堂株」は半年で「40%超」大暴落のナゾ…“生成AIの進化でゲームメーカーは終焉を迎える”は本当か

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 任天堂の創業は1889年──何と明治22年のことだ。この年に大日本帝国憲法が公布されている。花札やトランプで圧倒的シェアを誇った歴史を持ち、“100年企業”の代表格に挙げられることも多い。今では世界のゲーム業界に君臨するガリバーであり、手元資金は1兆7000億円を超える。“100年安泰企業”とも呼ばれるのは当然だろう。ところが「倒産などあり得ない」──超優良企業・任天堂の株価が急落しているのだ。まずは株価の推移を振り返ってみよう。(全2回の第1回)

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 2月3日の午後3時、任天堂の株価は1万125円だった。ところが翌4日の午前9時半に9095円に急落する。

 その後も株価は基本的に下がり続け、9日午後12時すぎで8646円。しかも昨年8月18日に株価は1万4795円と過去最高額に達していたため、この時を起点とすると下落率は41・6%に達する。約半年で株価が半分になってしまったと言える。

 任天堂は「Nintendo Switch2」を昨年6月に発売し、世界各地で“争奪戦”が起きるほどの人気を博した。Switch2に対する高評価が昨年8月の最高額に寄与したのは間違いない。担当記者が言う。

「ところが今年1月に入ると株価が9000円代まで下落することが何回かあり、9000円代になると反発して1万円台に戻ることを繰り返しました。そして2月に入ると一気に9000円代から8000円代に下落したという流れです。興味深いことに任天堂は2月3日に昨年4月期から12月期の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比99・3%増の1兆9058億円、最終利益は51・3%増の3588億円でした。市場予測を下回ったとはいえ、立派な数字であることは言うまでもありません。これほど業績が好調であるにもかかわらず、株価が下落しているため任天堂に注目が集まっているのです」

「任天堂にとっての不運」

 株価下落の原因として複数の経済メディアが指摘したのは、「Switch2の製造に必要な半導体メモリー価格の急騰」だ。

 世界的なAIブームでDRAM(ディーラム)など半導体メモリーの需給は逼迫しており、価格は高騰している。おまけに高騰は昨年の10月ごろから顕著になった。

 Switch2にも半導体メモリーが使われているのは言うまでもない。6月に発売すると市場も評価して8月に株価は最高値を記録した。

 だが10月に半導体メモリーの価格が急上昇し、任天堂を直撃。市場は不安視し、1月ごろから株価は下落、2月に好調な決算が発表されても下げ止まらなかったというわけだ。

 金融・経済ニュースを中心に報じる世界的な通信社ブルームバーグは半導体価格の急騰が「10年に1度と言われる新型ゲーム機の投入時期と重なったのは任天堂にとって不運だった」と同情的な記事を配信している(註)

「オンラインではなく家庭用のゲーム機を販売するビジネスの場合、ゲーム機本体の価格はできるだけ安くする必要があります。どれだけ素晴らしいゲームを開発しても、本体を消費者に買ってもらわないと話にならないからです。本体は利潤の薄い価格にする代わり、ゲームソフトや、それに付随するライセンス契約などで儲けるのがビジネスの鉄則です。これが何を意味するかというと、半導体の価格が上がったからと言って、任天堂は簡単にSwitch2を値上げするわけにはいかないということです」(先の記者)

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