中国人旅行客激減で京都人は「ずっとこのままがいい」 ホテル支配人は「ドライヤーが盗まれることもしばしばだった」
【全2回(前編/後編)の前編】
高市早苗首相による“台湾有事”発言を機に、かの国で日本への渡航自粛が要請されているのはご存知の通り。さらに中国政府は1月26日、2月中旬から始まる春節の連休に向けて、改めて訪日自粛を呼びかけた。肝心の観光地では、いま何が起こっているのか。
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「ありがたいことに、自粛になってから、中国人の団体ツアーの姿はパタッと見かけなくなりました」
そう声を弾ませるのは、京都の花街、祇園町南側地区協議会の太田磯一幹事だ。
昨年11月に中国政府が自国民に要請した、日本への渡航自粛。インバウンドに頼り切った日本の経済政策ゆえ、大ダメージ必至かのように喧伝されたのはご記憶だろう。日本政府観光局の発表によれば、昨年12月の訪日中国人は、前年同月比で45%減となっている。団体旅行客がめっきり減ったのはたしかなようである。
太田氏が続ける。
「個人旅行の方は今も来てはると思いますが、彼らは悪さをしませんね。以前のような路上のタバコの吸い殻はなくなったし、白タクも減った。車道の真ん中で騒ぎながら写真を撮る人もいない。無許可で舞妓さんの写真を撮ろうと、追いかける人もいなくなりました。中国からの団体客は、もともとお金は落とさんと、迷惑を残していくだけだったんですよ。地元の人はみんな“ずっとこのままでいい”と言うてはります」
「静かな嵐山になってなにより」
同じく京都の名勝地で屋形船業を営む「嵐山通船」の小島義伸社長が語る。
「これまで観光客の3分の1は中国人でしたが、今の嵐山に中国人はほとんどいません。敷地内に勝手に入ったり、モミの木の枝を折ったり、やたらとツバを吐いたりするのは、だいたい中国人でした。今は代わりに韓国人の観光客が増えていますし、日本人も戻ってきました。静かな嵐山になってなによりですよ」
同じく中国人人気の高い北海道に目を転じてもらおう。
「われわれの組合に加盟している札幌の122軒のホテルや旅館のうち、中国人のお客さんを受け入れていた宿泊施設は8割でした」
そう語るのは、札幌ホテル旅館協同組合の安藤雅信理事長。
「高市さんの発言の直後に取ったアンケートでは、この8割のうち、キャンセルが出ているとしたのは31%。現在では、中国からのお客さんは例年の4割になっています」(同)
一見、手痛い損害が出ていそうだが、
「すでに2カ月以上が経過しており、各ホテルは受け入れの国や旅行会社を変えるなどして対応しています。現在は他国のお客さんで部屋が埋まり、稼働率は例年並みです」(同)
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