“高梨沙羅の独壇場”を揺るがす女子ジャンプ「丸山希(27)」の衝撃! 冬季五輪で最注目“遅咲きのヒロイン”を変えた「2025年夏の覚醒」

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 ミラノ・コルツィナ冬季五輪を控えた2025-26年シーズンの開幕と同時に、ひとりの日本人女子ジャンパーが彗星のように登場し、世界のジャンプ界を騒然とさせた。

 丸山希(のぞみ)、27歳。

 W杯開幕戦に優勝。さらに開幕から3戦連続優勝を飾り、丸山はミラノ・コルティナ五輪の金メダル候補と目される存在になった。【取材・文=小林信也(作家・スポーツライター)】

変化の兆しが見えたのは、小学校6年のころ

 少し前まで女子ジャンプといえば高梨沙羅の独壇場。2014年のソチ五輪から3大会の冬季五輪を日本のファンは高梨への期待とともに見つめた。二番手として名が挙がるのは伊藤有希(31)で、高梨の2歳下の丸山が知られる機会はほとんどなかった。

 小中学生のころ、丸山は地元の〈野沢温泉スキークラブ〉でジャンプに打ち込んだ。指導したのは、いまも同クラブでコーチを務める笹岡洋介だ。笹岡が振り返る。

「希と初めて会ったのは、彼女が保育園のころですね。希の姉と兄が先にジャンプをやっていて、お父さんが連れて来てたんです。まだスキーは履かずに、雪遊びをしていました。正式にクラブに入ってジャンプを始めたのは小学校4年の時だと思います。最初はとくに、才能があるとか、将来が楽しみだと感じた記憶はありません」

 変化の兆しが見えたのは、小学校6年のころだと言う。

「希は元々すごく気が強くて、負けず嫌いなんですね。小学生たちは男女一緒に練習するんですが、『男子に負けたくない』という感じで、希のジャンプが目立つようになりました。男子より上手だなと。女の子は力がない分、うまく方向を出さないと飛べません。希は踏み切りで前方向に行く技術が優れていました。上体を起こさずに立ち上がるのは難しいのですが、希はうまかった、方向がよかった。まだ粗削りでしたけど」

 小学生はスモールヒルと呼ばれるジャンプ台を使う。K点は25メートル。中学生になるとミディアムヒルの台になる。K点は55メートル。かなり大きくなるが、丸山は怯まなかった。

「長野県の大会で、男子にまじって4位になったことがありました。でも喜ぶんじゃなくて、悔しがって泣いている姿を覚えています」

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