“高梨沙羅の独壇場”を揺るがす女子ジャンプ「丸山希(27)」の衝撃! 冬季五輪で最注目“遅咲きのヒロイン”を変えた「2025年夏の覚醒」
ケガがなければ
中学を卒業後、丸山は地元の伝統校・飯山高校に進学した。
丸山が高校生になったころ、2歳上の高梨沙羅はすでに日本中の期待を担うスター選手となっていた。高梨は丸山にとってどのような存在だったのだろう。笹岡が振り返る。
「ライバルだとか、そういう感じは一切なかったでしょう。雲の上の存在。憧れではあっても、いつか抜いてやろうとか、そんなことを思える相手じゃなかった」
それほど遠い存在だったが、高校で力を伸ばし、明治大学に進学してさらに経験を積んだ丸山と高梨の距離は次第に縮まっていった。
「大学生になって、すごく上手くなったなあと感じました。野沢でインカレがあったのですが、中学時代よりさらに飛び出しが良くなった。ロスなくスムーズに立ち上がる技術が確かなものになったと感じました」
大学4年の2020-21年シーズンには国内大会で2度優勝、世界選手権にも出場し、個人ではノーマルヒル20位、ラージヒル18位にとどまったが、高梨、伊藤、勢藤優花(28)とともに団体ノーマルヒルで4位に入賞した。
卒業後は北野建設に所属。いよいよ海外での飛躍が期待された2021年の開幕早々、思いがけないアクシデントが待っていた。札幌・大倉山ジャンプ競技場で開かれた全日本選手権女子ラージヒルで転倒。左膝前十字じん帯損傷、外側半月板損傷、大腿骨腓骨骨挫傷の重傷を負った。これで、翌22年2月の北京冬季五輪への道は断たれてしまった。笹岡が振り返る。
「飛び過ぎたんですね。テレマーク姿勢を取った時に、バランスを崩してしまった」
ケガがなければ、4年前に日本のスポーツファンは丸山希の名前を知ることになっていたかもしれない。だが、このケガによって、大きな開花は先に延ばされてしまった。
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