広島カープ「羽月容疑者」逮捕の衝撃…元マトリ部長が明かす“ゾンビたばこ”の正体「効果がすぐ切れるのでまた使いたくなり、“依存”へと陥ってしまう」
沖縄では社会問題に
オフシーズンのプロ野球界に衝撃的なニュースがもたらされた。広島東洋カープ・松田元オーナーは1月28日、羽月隆太郎容疑者(25)が医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕されたことを謝罪した。“ゾンビたばこ”と呼ばれる、指定薬物「エトミデート」を使用した容疑が持たれる羽月容疑者。昨季はリーグ5位タイの17盗塁をマークするなど、球団内でも将来を嘱望される若手選手だった。
【衝撃写真】「削った鉛筆の芯」に乗るほど少量の粉末が人命を奪う。エトミデートと同じく乱用が懸念されるフェンタニル。その致死量はわずか2ミリグラムだ
広島県警は昨年末、110番通報を受けて県内で羽月容疑者を任意同行し、その後の尿検査でエトミデートの陽性反応が出たという。
また、新井貴浩監督も同日、球団HPで「この度、当球団の選手が逮捕される事態となり、監督として大変重く受け止めております。関係者の皆さま、そして日頃からより応援してくださっているファンの皆さまに、多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます」との謝罪文を発表した。
よもやの“薬物事件”に揺れる球界。運動部記者が眉をひそめて語る。
「捜査の進捗にもよりますが、現役のプロ野球選手が薬物事件で逮捕された衝撃は大きい。チーム内で他の選手を巻き込んでいないか、あるいは薬物の入手経路は球界関係者と無関係だったのか。そうした点も厳しく追及されかねません。逮捕劇の余波は当分の間、続くのではないか」
「足元がフラついてまともに立つこともできない」
そもそも、このエトミデートとはどんな薬物なのか。元厚生労働省麻薬取締部部長の瀬戸晴海氏は次のように語る。
「沖縄では2024年頃から若者を中心に蔓延し、大規模なトクリュウの密売グループが摘発されています。福岡県、大分県といった九州圏をはじめ三重県でも摘発者が出ていました。乱用者の数が沖縄で突出していた背景には“台湾”の存在があります。実は、台湾ではかねてよりエトミデートが社会問題化していた。しかし、規制が設けられたことで、今度は、地理的に近い沖縄へ大量に密輸されるようになったわけです」
今年1月には、エトミデートを含む液体およそ2キロをタイから密輸した50代の男を、警視庁などが医薬品医療機器法違反の容疑で逮捕している。警視庁がエトミデートの密輸事件を摘発するのは初めてのことであり、密輸量としては過去最大だという。
「いまではタイがエトミデートを密輸出する最大のハブになっています。さらにカンボジア、ラオス、ミャンマーなど、アジア中で乱用が拡散しています」
厚生労働省は昨年5月、エトミデートを“指定薬物”に追加し、販売や所持、使用を禁止した。エトミデートはそもそも“麻酔薬”である。
「そのため電子タバコで吸煙するとすぐに効果が現れ、意識が混濁し、手足がけいれんし始めます。過剰に摂取すれば足元がフラついてまともに立つこともできなくなるわけです」(同)
こうした乱用者の状態を指して“ゾンビたばこ”という別称が生まれた。では、なぜここまで爆発的な勢いで広まっているのか。
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