「高市首相は焦っている」 新党に自民党側の本音は… 幹部は「苦しいのは否定できない」

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【前後編の後編/前編からの続き】

 かたや首相が衆院解散に踏み切れば、こなた新党結成の報である。その党名に見られる「中道」は仏教用語で、かねて創価学会員が慣れ親しんだ、亡き池田大作氏ゆかりの言葉でもあった。連立を離れた公明党の一大転身が呼んだ激震。主導権を握るのは一体、誰か。

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 前編では、新党結成にあたり、立民側が公明側に行った数々の譲歩について報じた。

 新党名発表から2日後の18日、学会は総本部のある東京・信濃町の関連施設で緊急の「全国地区部長・地区女性部長会」を開いた。

 開会に先立ち、あいさつした斉藤鉄夫代表(73)は、

「新党の基本政策には、公明党が昨年11月に発表した“中道改革”の政策5本柱がそのまま盛り込まれる予定です」

 と説明し、新党が公明の精神を受け継ぐものだと強調。原田稔会長(84)も、亡き池田大作名誉会長が作家の松本清張氏との対談で口にした、こんな一節を披露した。

〈われわれの中道主義は民衆から盛り上がったものである。仏法の中道主義という哲学を裏付けにしたものだ〉

 原田会長はさらに、

「最大多数の幸福という理想を実現するため、日本を改革する時は今をおいてほかにない。私たちはこの確信で、堂々と政治に参加して参りたいと思います」

 そう力を込めたが、10分ほどにわたる弁舌で「中道政治」「中道主義」など中道という言葉を計10回用いた。そこには“崇高なる”新党の略称を学会員に刻まんとする強い意図がうかがえる。

 学会女性部の現役幹部がこう明かす。

「部長会後に開かれた支部会議では、比例で『公明』とは書かないでくださいと念を押されました。また、F(フレンドの意。投票呼びかけの対象となる非学会員)に対しては丁寧に説明していきましょうとの確認もありました。1月24日から25日の間に、選挙用ポスターが学会の末端組織である『地区』ごとに5枚ずつ配布されます。26日夜までに公明のポスターは新党のものに張り替えるようにとのお達しが出ました」

「萩生田氏にとって最悪の展開」

 別の学会員が声を潜める。

「総選挙に向けての取り組みに関する指示書が地区ごとに配布されています。指示書の内容は地区によって異同がありますが、共通しているのは電話、SNS、党公式ユーチューブなど、複数メディアの活用の奨励です。もちろん、友好的と見込まれる非学会員への『励まし』、つまりは少人数での対話を含めたアプローチが重視されている点は、昔と変わるところがありません」

 すでに始動している集票マシーンのエンジン。周知のように公明の比例得票数はピーク時の2005年衆院選で898万票だったものが、一昨年10月の衆院選では596万票、昨年7月の参院選では521万票と急速に落ち込んでいる。組織の高齢化が理由とみられるとはいえ、いまだ屈指の集票力を誇ることは間違いなく、その動向は選挙の趨勢に直結する。

「一つの小選挙区での公明の得票は、平均して1万~2万票といわれています」

 とは、政治部デスク。

「一昨年の総選挙の結果をもとに、仮に公明の1万票が立民の候補者に上乗せされたとしましょう。すると、自民の現職がいる小選挙区のうち、最大37選挙区で逆転が起こることになる。その場合、自民は小選挙区で100議席を割り込み、よくて95議席とみられます。一方、立民は141議席に届く計算です」

 例えば萩生田光一幹事長代行(62)の東京24区。前回、立民の有田芳生氏(73)を辛くもしのいだが、約8000票差まで迫られた。

「東京24区は創価大などの関連施設が多い、学会にとっての聖地・八王子市の大部分にあたります。公明票は3.5万票規模に上るといわれ、萩生田氏にとって新党結成は最悪の展開です」(同)

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