「高市首相は焦っている」 新党に自民党側の本音は… 幹部は「苦しいのは否定できない」

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学会員は上層部の指示に従う?

 少なくとも今回の新党結成は、官邸にとっても想定外だったようだ。木原稔官房長官(56)は周囲に、

「まさか立民と公明が一緒になるとは思ってもいなかった。安保法制に反対した党と賛成した党が一緒になれるのかね」

 と語ったというが、高市首相が解散に打って出たからには今さら後に引くわけにもいくまい。 

 政権幹部に公明と立民の合流についてただすと、強気な姿勢を示すのだ。

「自民は26年間にわたって公明と連立してきた。学会本部が何を言おうとも、地方には長年かけて築いた人脈がある。例えば“県議会の議長は自民、副議長は公明”といった役割分担のもと自治体運営を回してきたような例は数え切れない。上から唐突に“明日から立民と組め”と言われても、そう簡単に切り替えられるものではないだろう」

 実際のところ、現場の学会員は素直に上層部の指示に従うものなのか。

 ある自民党関係者は、公明・学会のエンジンは「回り切らないのではないか」との見方を披露する。

「旧公明の候補はもれなく比例名簿の上位で処遇されるわけだから、ほぼ自動的に議席は維持できる格好です。その状況で、現場の学会員は本当に小選挙区で立民候補の応援に本腰を入れられるものなのか。疑問が残るね」

 学会の事情に詳しいジャーナリストの乙骨正生氏も、やはり同様に、

「公明・学会の執行部が新党に前向きでも、学会員全員が納得しているわけではありません。実際、公明党の元最高幹部の一人は、新党結成を“頭破作七分(ずはさしちぶん)だ”、つまり法華経の教えに背いたせいで心も頭もおかしくなり、まともな判断ができなくなったのだと嘆いています。時の政権を敵に回す危険性を熟知している立場から、執行部が下した自民党との全面対決という判断を“誤っている”と批判しているわけです」

「さみしい気持ち」

 ならばと、このたび戦場に放り出されることになった議員たちに見解を問うた。

 前回、栃木1区で立民候補に1万5000票差まで追い上げられた自民の船田元・元経済企画庁長官(72)は、

「私自身は、公明党の連立離脱、新党結党への動きで受けたショックから立ち直れていません」

 と、漏らすのだった。

「地元の公明党の県会議員さんや市会議員さんも、まだ今回の新党と選挙体制に戸惑っている人が多くて、すぐに“さようなら”という感じではありません。しかし、公明党というのは非常に組織力の強い政党でございますから。心情的には“頼むから全部向こうに行かないでください”といった感じで、とにかくひたすらお願いをする立場です」(同)

 落選危機がささやかれる現職閣僚の一人もこう言う。

「公明党の票が大幅に減るのではないかと懸念しています。肌感覚として苦しい部分があるのは否定できない。解散の時期についても正直に言って戸惑っています。予算が成立した後でもよかったと思いますが、総理のご決断ですから、職務をこなしつつ全力で選挙にも取り組んでいくしかありません」

 森山裕前幹事長(80)も悲嘆の口ぶりだ。

「率直に申し上げて非常にさみしい気持ちです。これまでは自民党と公明党で政策協定をして、どこの選挙区は公明党が出すから自民党は遠慮するとか、そういう選挙区調整をしてきたわけですよね。ところが公明党がなくなれば、協力のしようもない。厳しい選挙になるだろうと思います」

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