実は日本が「最大の被害者」… 異常気象で日本はどう変わる? 「桜が咲かない地域が出てくる」「国力が損なわれる」

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損なわれる「国力」

 こうして、温暖化による二季化が進む日本では、今後、どのような事態が起きるのでしょうか?

 夏は連日最高気温が40度を超えるという地域が珍しくなくなるでしょう。

 日本の風物詩である「桜舞い散る卒業式と入学式」も、桜の開花が早まるため減っていくと思います。それどころか、桜はある程度の寒さを経てからでないと開花しないそうなので、九州地方などではそもそも桜の花が育たないということになるかもしれません。

 また、ごく単純に言うと、九州が沖縄のように、関東が九州のように、北海道が東北・関東のように、といった具合に日本列島の気象条件全体が“北上”するため、北海道にも梅雨が訪れるようになるでしょう。

 その梅雨も、これまでのようにジメジメして、しとしと雨が降り続けるというのではなく、ドカ雪と同じで降る時はゲリラ豪雨のように大量に降り注ぎ、雨が上がると真夏のような日差しが襲ってくる。夏至の前後である梅雨の季節は1年のうちで最も昼が長く、太陽(紫外線)の影響を受けやすい季節です。いままでは梅雨の雲がそれを遮ってくれていましたが、これからは、梅雨の時期にもろに紫外線を浴びる危険性が高まり、とりわけ美容を気にする女性にとっては「肌リスク」が増すことになるでしょう。

 そして、降雪の機会自体は減ったとしても、東京などの都市圏でも、ひとたび降ったらドカ雪で交通網が大打撃を被る場面が増えると予想されます。

 ――とどのつまり、日本独特の魅力であった「穏やかな四季の移ろい」が失われていくわけです。それが与える影響は実に大きく、私は二季化によって「日本の国力」が損なわれていってしまうのではないかと、大いなる懸念を抱いています。

インバウンドにもダメージ

 例えば、昨夏以上の猛暑が続けば、夏の日中には誰も外に出たがらない事態が生じる可能性があります。すると、生産性が下がるとともに、夏の観光などもってのほかなので経済が循環しなくなる。儲かるのは、誰もがエアコンを使いまくることによって潤う電力会社と、他には、特に地方において、近場で大したお金を使うことなく時間をつぶせて涼めるショッピングモールくらい、ということになりかねません。

 インバウンドにも大きなダメージを与える事態が心配されます。

 日本の重要な観光資源である四季の移ろいが失われれば、自ずと日本の魅力は減殺されることになりますし、温かい海水に囲まれて異様にジメジメとした日本でぜひ夏を過ごしてみたい――という人が今後増えるとは考えにくい。

 さらに、北海道のニセコなどが海外旅行客に人気なのは、他国ではあまり見られないサラサラのパウダースノーが大きな理由の一つとされていますが、今後は水蒸気を多く含んだ雲から雪が降ることになる。そのため、パウダースノーは期待できず、やはりインバウンド客の足が遠のく可能性が考えられます。

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