なぜ「ヤンキーの恋愛」に世界が熱狂? Netflix「ラヴ上等」が覆した“リアリティショー”の常識

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画期的な企画

「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである」と言われる。Netflixで配信されている「ラヴ上等」が絶大な人気を博しているのは、それが「ヤンキー」と「恋愛リアリティショー」という本来相容れない要素を組み合わせた画期的な企画だったからだ。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 タレントのMEGUMIがプロデュースを務め、ヤンキー系の男女が真剣に恋愛をする「ラヴ上等」は、従来の恋愛リアリティショーとは一線を画す独特の魅力で視聴者を惹きつけている。

 昨年12月9日の配信開始からすぐに日本の週間ランキングで1位を獲得。その人気は国内にとどまらず、Netflixの非英語シリーズで世界8位にランクイン。韓国、香港、台湾などでも大ヒットしている。この人気の過熱ぶりを受けて、すでにシーズン2の制作も決定した。

 恋愛リアリティショーと言えば、洗練された雰囲気の中でさわやかで上品な雰囲気の参加者たちが繰り広げる恋の駆け引きを想像する人が多いだろう。しかし、「ラヴ上等」はその常識を覆した。元暴走族、逮捕歴のあるラッパー、全身タトゥーまみれといった本物のヤンキー系の人間が集められているのだ。

 派手な見た目のヤンキーやギャルたちが、意外なほど純粋に恋に向き合い、不器用ながらも必死にコミュニケーションを取ろうとする姿が、多くの視聴者の心をつかんだ。

 この番組が支持される最大の理由は、参加者たちの「ギャップ」にある。見た目は威圧的でも、恋愛となると途端に照れ屋になったり、素直に気持ちを伝えられなかったりする様子は、むしろ一般的な恋愛リアリティの参加者よりも人間味にあふれている。

 彼らの不器用さは計算されたものではなく、本当に恋愛経験が少なかったり、感情表現に慣れていなかったりすることから生まれる自然なものである。だからこそ視聴者はその純粋さに心を動かされる。

 また、ヤンキー文化を無条件で持ち上げるような演出はしていないというのもポイントだ。視聴者の中には、ヤンキーそのものには良いイメージを持っていない人も多い。スタジオでVTRを見ているMEGUMI、AK-69、永野が、ヤンキーたちの無軌道な言動について冷静に客観的な目線でコメントをすることで、ヤンキーに嫌悪感を持っているような視聴者でも、純粋にVTRを楽しむことができるようになっている。

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