維新の「副首都構想」は福岡に出し抜かれる? 大阪にはない「鉄道ネットワーク」の強み
1月23日に通常国会が召集される。
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昨年10月に発足した高市早苗内閣は高支持率を維持しているが、発足時は長年にわたって自民党と協力関係にあった公明党との連立を解消し、それまで野党だった日本維新の会が協力することで国会運営を乗り切った。
しかし、維新が協力の条件として求めていた議員定数の削減は会期内にメドをつけることができず、実質的に約束は反故にされた。それにも関わらず、吉村洋文氏や藤田文武氏といった維新の執行部からは自民党との関係を見直す声が出ていない。その裏には、自民党との友好関係を維持しなければならない苦しい事情がある。
定数削減以上に維新が強力に押し進めているのが副首都構想だ。橋下徹氏や松井一郎氏といった歴代維新のトップは、大阪都構想の実現を一丁目一番地に掲げてきたが、2015年と2020年どちらの住民投票でも否決された。
2015年には橋下氏が、2023年には松井氏が責任を取る形で政治家を引退。維新の創業者でもある橋下・松井両氏が去ったことで、維新は求心力を失った。
そうした中、維新は高市内閣に副首都構想の実現を迫った。大阪都構想と副首都構想は似て非なる政策だが、維新が高市自民党に迫った副首都構想には大阪都構想を含む内容だった。そのため、自民党だけではなく立憲民主党などの野党からも「副首都構想のドサクサに紛れて、大阪都構想を実現しようとしている」と批判的な指摘が出ている。
「福岡を副首都にしよう」という機運
維新が掲げる副首都構想は、東京に集中する首都機能の一部を移転させるものだが、これを維新は東京で大規模災害が発生した際に副首都がその代替機能を果たせると主張してきた。つまり、副首都は東京のバックアップ機能を果たす都市ということになる。
一方、大阪都構想は大阪府という広域自治体と大阪市という基礎自治体を再編させる構想だ。これは大阪市を廃止して、新たに大阪“都”という強い権限を持つ自治体を生み出すことを意図している。
現在、副首都を規定する法律はない。しかし、高市首相は所信演説で副首都の実現に言及した。それだけに、副首都構想の現実味は増している。
だが、仮に政府が副首都を設置することを決めても、必ずしも大阪が副首都になるとは限らない。順当に考えれば、東の東京に対して、西の大阪が副首都になることが自然に思うだろう。それでも維新の意に反して、政財界の関係者間で副首都が議論された頃から「福岡を副首都にしよう」という機運が芽生えていた。
その機運は近年になってから強まり、福岡県・福岡市・北九州市の3者も副首都の呼び込みを本格化させている。
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