芳本美代子、一番近しい存在には石川秀美の名前を挙げ…「1990年で歌手活動ストップ」「35年ぶりに復活」の“真相”語る

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「歌手活動と女優業、どちらもこなすのは難しかった」

 それにしても、5年間で着実にボーカリストとして成長していったにもかかわらず、芳本はどうして90年に突然、歌手活動を辞めてしまったのだろう。90年代や00年代は女優業にシフトして、『愛の劇場 ママまっしぐら!』シリーズ(TBS系)や『母親失格』(東海テレビ・フジテレビ系)など昼の時間帯のドラマの主演を多数務めているが、その気になれば主演ドラマとその主題歌をリリースするというパターンで継続することもできたのではないだろうか。

 実際、小泉今日子や酒井法子、工藤静香などは、アイドル出身のアーティストが不遇な時代でも、出演したドラマの主題歌を歌うことで時代をサバイブしている。

「その頃は、音楽番組もどんどん減っていったり、レコード会社とも契約が切れたりもあったと思うんですが、何よりドラマは出演者全員で作品を作っているのに対し、歌は自分がまず頑張らなきゃいけないので、両方を器用にこなすことができなかったんでしょうね。

 私は、アイドル歌手から女優業をやり始めたので、お芝居について誰かに教わったわけでもなく、演技も歌も同時に進めるのが難しかったんだと思います。最後の2枚のアルバム『Power of Love』と『「MY」』で書いていただいた田口俊さんの世界観が大好きだったので、『もうやりきった』という想いもありましたしね。

 でも、どのアルバムも聴きごたえがあるし、サブスクでは、当時の生演奏のクオリティの高さも実感してもらえるかも。今、日本の曲が海外でもよく聴かれていますが、私の中でもそういった、懐かしいけど新鮮に聴こえる曲が多いんですよ。リスナーの方々には『ミッチョン、ちゃんと歌っていたんだね~』って楽しんでもらえたら。私、本当によく頑張りました(笑)」

当時の映像を振り返って感じる自身の“成長ぶり”

 さて、芳本は今年のオリジナルアルバムのサブスク解禁に加え、今後は過去のライブ映像ソフト『ミ・ヨ・コ Friendship Concert'85』『EXPLOSION』からもいくつかの楽曲の映像をYouTubeで公開していくという。初のコンサートの模様を収録した『ミ・ヨ・コ~』では、ライブが始まるまでのトークは16歳のあどけない少女そのものだが、いったん幕が上がると全体に落ち着いた歌唱で、正統派アイドルらしさを振りまいている。

 特に、松本隆メドレーでは「渚のバルコニー」(松田聖子)、「September」(竹内まりや)、「メイン・テーマ」(薬師丸ひろ子)などさまざまな歌手のカバー曲をノンストップで歌っているが、安定の歌唱で難なくこなしている。

「デビュー前にデモテープを作っていく段階で、いろんな方のカバーをしていたので、そこで歌えそうな曲とそうでない曲を選んでくださっていたのだと思います。秀美さんの『ゆ・れ・て湘南』もカバーしていますね」

 そして、明るく歌っていたのに、本編ラスト2曲のバラード「雨のハイスクール」と「Endless Love Song」になって号泣しているのを見ると、ティーンエイジャーの女子が独りぼっちで、こんなに大きな会場で歌っていることへの重圧の大きさを感じる。80年代のアイドルシステムは、今では考えられないほどのものであった。

「『Endless Love Song』(シングル『プライベート・レッスン』カップリング曲)は当時よく歌っていましたね。やっぱり、コンサートは、シングル曲以外も歌えるのが醍醐味で、当時からアルバムを中心に歌いたかった、伝えたかったとすごく思っていました。このために何度もリハーサルを重ねて、たくさんの時間とお金をかけていただいたんだなと、その後、自分で舞台を作っていった時に改めて気づかされましたね」

 そして、もう1本の映像ソフト『EXPLOSION』は、デビュー2年目、すでにベストテン歌手として定着してきた頃のライブで、中盤で「オリビアを聴きながら」(杏里)「けんかをやめて」(河合奈保子)「さよならの向う側」(山口百恵)の人気バラードをカバーするなど、落ち着いた楽曲もじっくり聞かせる構成を取り入れている。

「前の年に比べてみて、私、こんなに歌が上手くなっていたんだと驚きました。アイドルデビューから最初の3年の間に、シングルは12枚、アルバムもオリジナルが5枚も出していますが、確実に大人への階段を上っていたんだなと」

 このライブで歌っているマイナー調のアップテンポの楽曲「Secret」も、アルバム『WING』収録曲ながらクールに決めて歌っており、シングル曲並みの強い思い入れを感じさせる。内容は大人の秘めた恋愛がテーマだが、この時まだ17歳というのも驚きだ。

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