「冬こそ“裸で睡眠”を試してほしい」と専門家が語る理由 枕のベストな高さ、羽毛布団の選び方も徹底解説

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 何時間寝るのがベストか。睡眠というと真っ先にこのテーマが話題となるが、「それ以前」の大問題が……。一日のうち約3分の1を過ごす寝床。その状況によって睡眠の質は大きく左右される。掛け布団、枕、そしてマットレス。寝具による「最強快眠術」を解説。

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 まだ起床時間ではないのに寒くて起きてしまった。もっとギリギリまで布団の中でまどろんでいたかったのに……。

 冬の時季、こんな経験をしたことはありませんか? しっかり布団をかぶっていたのに寒さで眠りを破られてしまった。その時の“悔しさ”や“もったいなさ”といったらありません。

 自分が使っている布団は果たして寒い冬に合っているのだろうか。それとも冬には適していない代物なのか。そうした「布団の能力」を確認するのに最適な方法があります。一度でいいのでぜひ試していただきたいと思います。多少、勇気は要りますが……。

 布団の温かさに疑問を感じたら、裸で寝てみてください。

〈こう提言するのは、石川県で寝具店を営む乙丸屋久兵衛(おとまるやきゅうべえ)氏だ。

 時の将軍は徳川吉宗の元文元(1736)年創業、289年の歴史を誇る老舗寝具店の12代目店主である乙丸屋氏は、代々引き継がれてきた「寝具と快眠」のノウハウを現代の事情に合わせてアップデートし続けている「寝具のプロ」だ。

 いかにしてよい睡眠を手に入れるか。健康上の大きな課題であり、多くの人が睡眠不足などの悩みを抱えている。ゆえに、世間には快眠のための食事術や、深い眠りを得るための生活習慣といった「睡眠健康法」が溢れているわけだが、以下は、乙丸屋氏による一味違った快眠へのアプローチ、すなわち「寝具による快眠術」である。〉

羽毛布団の力を引き出すのが裸の状態

 なぜ裸で寝てみることをお勧めするのか。それは、とりわけ冬において、掛け布団のすごさが実感できるからです。

 綿布団、合成繊維布団、羊毛布団。さまざまな素材の掛け布団がありますが、どれを選ぶべきかと聞かれれば、「羽毛の一択」とお答えしています。ポテンシャルの面で羽毛がダントツであり、それに勝るものはありません。

 軽さ、保温性、吸湿・湿度発散性。どの点から考えても羽毛が優れています。これまでに人工羽毛の開発が数多く行われてきましたが、天然の羽毛に追いつく製品は登場していません。魚であれば、養殖物でも天然物と味に遜色がないものがあると思いますが、こと羽毛に関しては天然のものが圧倒的な性能を誇っているのです。人工の羽毛に限らず、綿布団なども、やはり性能の面で羽毛より劣ると言わざるを得ません。

 まず保温についてですが、当然のことながら羽毛そのものが熱を発するわけではありません。羽毛が人間の熱を吸い、それをしっかりとどめてくれるからこそ、私たちは「羽毛布団は温かい」と感じられるのです。

 ここで「裸」の話に戻ります。人間が発する熱をダイレクトに羽毛布団に伝えるには、文字通り“直接”が一番効率的です。つまり、パジャマなどの“遮蔽(しゃへい)物”がない裸の状態が、羽毛布団の保温性が最大限に発揮されるケースなのです。

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