「冬こそ“裸で睡眠”を試してほしい」と専門家が語る理由 枕のベストな高さ、羽毛布団の選び方も徹底解説

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“永遠の論争”

 もちろん、緊急時に避難することなどを考慮すると、裸で寝る“べきだ”とまでは言えませんが、一度試すと、羽毛布団のすごさが体感でき、病みつきになる方が少なくないと思います。

 この羽毛布団の利点を考えると、裸で寝るかはともかく、厚着をして寝るのはお勧めできません。冬の寒い夜、入浴後に寝間着に着替え、その上にフリースなどを羽織って冷えから体を守るという方もいることでしょう。寝る前まではそれでいいと思います。しかし、いざ寝る際には、フリースは脱いでください。人間の熱がフリースによって遮断されてしまい、羽毛布団にまで伝わらず、布団の中が温まらないからです。

 そう言われても、布団の中は冷えているので、パジャマだけでは寝入るのが難しいという方には、就寝前に湯たんぽや、布団乾燥機を使って布団の中を温めておく手があります。いずれにしても、フリースを着て寝ていると、たしかに寝始めは温かくても、寝ている間に布団の中が温められず、その結果、寒くて目覚めてしまう事態になりかねないので気を付けてください。

 重ね着をお勧めしないのと同じ理由で、次に紹介する“永遠の論争”にも自ずと答えが出ると私は考えています。

 羽毛布団と毛布を重ねる場合、羽毛布団が上か、それとも毛布が上か――。

「羽毛布団が上=毛布が下」だと、体の熱が毛布で遮られてしまうので、「毛布が上」がいいでしょう。どうしても毛布の肌触りが好きという方は、羽毛布団のカバーに毛布地のものを使ってみてください。あるいは、羽毛布団の上に置いた毛布を少しだけ首のほうに上げ、首回りに毛布の肌触りを残すのも一つの手段です。

キルティングの数に注目

 掛け布団に関してはもう一つ、ドレープ性という問題があります。どれだけ体に密着してくれるかというフィット感のことですが、この点でも柔らかい羽毛布団は優れているといえます。しかし正直なところ、商品によってピンキリであるのが現実で、注意していただきたいのは「キルティングの数」です。

 キルティングとは羽毛布団にある縦横の「縫い目」を指します。縫い目を設けることで、羽毛が上下や左右に偏らないようにするわけです。このキルティングの数が少ないと、初めは体にフィットしていても、寝ている間に羽毛がずり落ち、体を覆うべき部分はスカスカとなってしまうため、ドレープ性が損なわれます。したがって、キルティングによる「マス目」が多い羽毛布団ほどドレープ性が高く、よい睡眠を確保しやすいといえます。

 羽毛布団の長所には「軽さ」もありますが、とりわけ筋力が衰えた高齢者は、「重い」綿布団だと寝返りが打ちにくくなるので注意が必要です。なにしろ寝返りは、一晩平均で20回以上行っているとされ、体の特定の部位への圧迫を避け、血液やリンパ液などの流れをスムースにする上でとても重要な「睡眠術」の一つですから。

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