「冬こそ“裸で睡眠”を試してほしい」と専門家が語る理由 枕のベストな高さ、羽毛布団の選び方も徹底解説
殿様枕症候群
よりよい睡眠を求め、掛け布団以上に気を配る方が多いのが枕です。中でも、柔らかいものが寝やすいのか、それとも硬いもののほうがいいのかと、枕の「硬さ」を気にされる方が少なくありません。しかし実は、枕で一番重要なのは「高さ」なのです。硬さに関しては、究極的にはその方の好みですが、一方、高さは快眠度と直結します。
体に最も負担がかからない、快適な寝姿勢とはどんな姿勢でしょうか。それは「立っているのと同じ姿勢」です。私たちは立っている時、頭、背中、腰、脚が、ほぼ真っすぐ(垂直)になっています。いわゆる「いい姿勢」です。寝ている時も、このいい姿勢であることが理想であり、体への負担が軽減されます。それを実現するためには枕の高さが重要です。枕が高過ぎると、「スマホ首」と言われるような状態、寝ている時であれば首が上の方に持ち上げられた窮屈な姿勢になってしまいます。
実際、国立循環器病研究センターの研究チームが命名した「殿様枕症候群」という症状が存在します。正確には、首の動脈(椎骨動脈)が裂けて起こる特発性椎骨動脈解離と言い、15~45歳の比較的若い世代の脳卒中の約10%は、この特発性椎骨動脈解離によって引き起こされているという危険な症状です。そして、枕が高くなればなるほど特発性椎骨動脈解離を発症するリスクも高まり、高さ12センチ未満の枕と、15センチ以上の枕を使っていた場合、後者の発症率は前者の約2倍にもなることが、先の研究チームによって明らかにされています。
横幅が広い枕を
では、立っているのと同じ姿勢とは、より具体的にどのような姿勢でしょうか。仰向けで寝た時に、顎が軽く引けて顔面が5度くらいわずかに足下の方を向き、真横から見て、耳、肩、胸、腰、膝、くるぶしが横一直線になっているのが理想的な寝姿勢です。この状態を、背骨のアライメント(配列)が正しい姿勢と言います。
とはいえ、ベッドや布団の上に寝て、理想の寝姿勢になっているかどうかを自分で確認するのは無理です。そこで簡単なチェック法があります。枕を使って仰向けになっている姿を、家族や知人にスマートフォンで撮ってもらうのです。その画像を90度回転させ縦にしてみて、立っている姿勢と同じになっていたら、それは「正しい寝姿勢」です。
その他、枕で注意すべきなのは横幅です。先ほど触れたように、寝返りは健康上とても重要な動きです。しかし、枕の横幅が狭過ぎると、無意識のうちに枕から「落ちる」ことを気にして寝返りが打ちにくくなります。左右両方への寝返りの打ちやすさを考えると、枕の横幅は63~70センチのものがいいでしょう。
なお、「横幅」の話のついでで言うと、ご夫婦やカップルの方が一緒に寝る場合、広さの観点からはキングサイズのベッドがベストと思われるかもしれませんが、そうとはいえません。なぜなら、キングサイズベッドの横幅は180センチが規格となっているからです。つまり、1人分のスペースは90センチ。他方、シングルベッドの横幅は100センチ。したがって、シングルベッドを二つ並べて寝たほうが、一人一人の寝るスペースに余裕が生まれ、快眠しやすくなるのです。
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