「ビール1杯2000円」は当たり前…裕福な社長ですら「ヨーロッパ旅行にはもう二度と行けないよ……」と肩を落とす衝撃の物価高

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 今、とにかく円が安い。1ドル=160.02円、1ユーロ=183.6円、1ポンド=210.7円(12月25日10:33現在)という、超円安水準になっている。日本では高収入の部類に入る人であっても、欧米旅行から帰ってくると「もう二度と行けないよ……」と嘆く状態になっている。

 先日飲み屋でご一緒した、不動産投資などを扱う会社のA社長は、かつて筆者と同じ広告会社で働いていた先輩である。同社を辞めてコンサル会社、企画会社を立ち上げる人は多いが、同氏は不動産投資という、全く違う業界に飛び込み、様々な地域に不動産を所有して会社も儲かっている。しかし、そうはいってもバブル期のような儲け方はできないため、Aさんは慎重に、節約をしながら生きているという。【取材・文=中川淳一郎】

よくぞあの物価高で

 そんなAさんは先日、イギリスとオランダ旅行へ行ってきた。どちらの国にも友人が住んでいるからだ。あくまでも彼らと旧交を温め合うことを目的に行ったのだが、買い物や飲食店ではとにかく常に頭の中で円換算をし、ため息をつく状況だったという。ちなみに、私と彼が飲んだ店はこの日、「500円均一デー」というサービス日で、ビール中瓶、生ビール、日本酒1合、ハイボールなどドリンクと、赤字必至の刺身盛り合わせ、魚の煮付け、ポテトサラダ、ウニメシなどすべて500円。

「これが500円だなんて、ありがた過ぎる……。ロンドンでもアムステルダムでも、ビールが1杯2000円は当たり前。朝食のサンドイッチは2000円で、コーヒーと合わせると2700円はする。ラーメンも5000円ぐらいはしました。友人と夕飯を食べに行くと、1人2万円は最低覚悟しなければならない」

 繰り返すが、彼は日本国内では明らかに裕福な人物である。そんな彼をもってしても、ロンドンとアムステルダムの物価は高いと感じ、こんなことを正直思ったという。

「あちらに住む友人たちは本当にすごいですよ。よくぞあの物価高の中で生きているものだ、と感じました。私は日本で商売を続けます」

 現地在住のAさんの友人たち(二人とも実業家)が、どう生きているかといえば、シンプルに、自分たちが扱うサービスの料金を値上げして収入を増やすことに尽きるという。彼の友人は現地に進出したい日本企業と、地元の企業をマッチングさせるコンサルティングを行っている。ポンド・ユーロベースでフィーは貰っていたため、必然的に日本企業が支払う金額は増える。これだけでも収入増となるものの、さらに現地の物価も上がっているため、サービス自体の値上げを断行したそうだ。

 価格でモメるかと思ったものの、円安であることと物価高を日本企業側は「仕方のないこと」だと理解を示し、支払金額が多くなることを了承した。提携先獲得のため、社員を一人で現地に赴任させるのを考えれば安いものである。しかも、当地を訪れる社員にしても、自腹を切っているわけではないから、金額はあまり気にならない。

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