「カニカニ詐欺」ではないけれど…年末になると思い出す、通販会社のしつこい“営業電話”にどこまで付き合うべきか

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 2025年もいよいよ大詰めだが、この年の瀬、私の身の回りにちょっとした“異変”があったのでここに記したい。過去に利用した通販業者からのカタログが数年ぶりに届くようになったのだ。だが、これは本来同社のルールでは禁止されている行為である。【取材・文=中川淳一郎】

これが最後の電話になる

 私は2019年に「ワケあり鰻10食入り8800円」というお値打ち商品の新聞広告を見て、通販会社A社からコレを買った。すると、その後、同社の営業担当の50代後半くらいの声の男性から1ヶ月に1回は電話がかかってくるようになった。「いい鰻がまた入ったんよ、これどや!」などと関西弁でまくしたてる話法がどことなく呑気で愉快に感じられ、彼からは3ヶ月に1回は何かを買った。通販業者が身がスカスカのカニを送り付ける「カニカニ詐欺」が昨今話題だが、そのようなことはなく、それなりに品質には満足していたのだ。

 しかしながら、2022年後半に届いた「ホルモン詰め合わせ」がすさまじく不味かった。それ以来電話が来ても購入はせず。そして2023年初頭にかかってきた電話。彼はこの3年間私の担当として電話をかけ続けてきたが、これが最後の電話になると寂しそうに伝えてきた。

 というのも、その会社のルールで5ヶ月間1度も同じ客から受注できなかった場合は、その客に対し、もう電話営業をすることができないのだという。特定商取引法では、電話営業された側が明確に断った場合、業者はそれ以上勧誘してはいけないことになっているのも影響しているであろう。

泣き落とし作戦をしてきたことも

 そして、同社からのカタログもこの2年10ヶ月ほど来なかったのだが、今年の12月、ついに復活。担当者の必死の電話営業のことを知っているだけに、すぐに同氏の声が頭に浮かぶとともに、もしも私がこのカタログを基に注文をしたら、再びあの電話攻撃が再開することが容易に想像できたため、このカタログは一切見ることなくすぐにゴミ箱に捨てた。

 正直あの経験で、広告を見てからの通販業者利用、というのはやめていた。仕事中だろうが夜だろうが容赦なく電話をかけてくるその営業スタイルには辟易していたし、「オレはお前の雇用維持貢献係ではない!」という気持ちが強くなっていたのである。

 2年10ヶ月ぶりのカタログ配布ということは、いよいよ「過去に頻繁に購入した人間(ただし、長期にわたって注文していない客)に対してもカタログを送れ」という指令が出たということだろう。私の担当者がまだ同社にいるかどうかは分からないが、こうした会社は「〇回以上注文をした顧客」のリストなども当然持っているわけで、それを基に今回私にカタログを送ってきたものと思われる。

 あの時の担当者にしても、「ワシはいい年しながら小さい子供を抱えておるんで、営業成績が重要なんや」などと泣き落とし作戦をしてきたこともあるのだが、日本全国の営業マンは同じような気持ちでいるだろう。それは当然私のような文筆業だって同様である。皆、キツい人生を送っているわけで、会ったことすらない人間の評価を高める貢献を自腹を切ってやる義理など一切ない。

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