“飛影はそんなこと言わない”アニメと漫画、真逆のキャラアプローチ 「炭治郎」「デク」が“濃い”のには訳があった

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 1月30日に東野圭吾のベストセラー小説をアニメ化した「クスノキの番人」の公開を控える伊藤智彦監督が、アニメ業界の現在について聞くインタビュー企画。少なくなったオリジナルアニメ、AI、そして2025年のベスト作について語った前編に続き、後編ではアニメの労働環境の変化から、漫画とアニメのキャラのアプローチの違い、さらに最新作のお話を聞きます。

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――伊藤さんが今、感じているアニメ業界での変化はありますか。

伊藤:アニメスタジオは増えた気がします。アニメが今ビジネスチャンスだと思って、お金を出す人はいるわけですよ。ただ投資先としてアニメを考えると属人性が強い。この会社のアニメが良かったからと出資したのはいいが、そこで仕事をしていた特徴的なアニメーターは別に社員ではなく、蓋を開けてみたらその人はいませんでした、ということもあります。

――アニメの世界的な人気の中で、「儲かっているのはどうせビジネス側で、制作する人間は儲かっていない」という声も聞きます。インフレですが、現場の給料は上がっていますか?

伊藤:まちまちですが、仕事の単価は上がっていると思います。俺が絵コンテの仕事をやった時に、1.5倍とは言わないですが、単価が上昇していて「あっ、こんなに出してくれるんだ」と思いました。出してくれるところは増えてる印象はあります。

――ライターの原稿料は物価高でも全然上がっていないので本当に羨ましいです......。物価高の理由の一つには円安の進行があります。アニメでは海外のスタジオに背景や動画などを発注していますが、円安では困るのじゃないですか。

伊藤:もしかしたらお金について「もっとくれ」といったやりとりがされているかもしれないんですが、仕事がキャンセルされたという話は周りでは聞いてはいないです。影響はあれど、アニメの仕事の数は膨大なので、定期的に仕事を回すといったことで解決しているのかもしれません。動画仕上げに限らず、背景も、海外のアウトソーシングはここ数年とても増えています。聞いたことのない海外のスタジオから「仕事をください」というメールがくるくらいです。

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