新年会シーズンは要注意…「脳出血」で緊急搬送された当事者に聞く“発症した瞬間”の記憶

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 サイレンを鳴らしながら走る救急車、救急隊員に囲まれながらストレッチャーで建物から車内に運ばれる人物――。こうした光景を家のご近所や街中でご覧になったことはないだろうか。救急車が停車しているところで、火事や交通事故が起こっているわけではない場合、心筋梗塞や脳梗塞や脳出血で救急搬送されていることが多い。これらの病は死亡するリスクが高く、しかも前触れもなく急に発症する。日ごろからの生活スタイルを把握しておく必要がある。【取材・文=中川淳一郎】

これはちょっとヤバいな

 2025年4月、埼玉県の西側の奥地で行われた花見の後に宿泊先のホテルで意識が朦朧とし、そのまま緊急搬送され、脳出血と診断された都内在住の男性K氏(63)。彼は12月末、花見を共にした地元の人々と8ヶ月ぶりの再会を果たしたが、誰もが彼の生還を喜んだ。

 一時期、歩くこともままならなかったK氏だが、この日は電車で埼玉までやってきた。帰りは妻が車で迎えに来てくれることになっていたが、電車に乗ること、駅近くのなじみの居酒屋まで歩くことも重要なリハビリとなるとのこと。予め電車の到着時刻を筆者は伝えられていたが、駅から300メートルの居酒屋までは10分かかるだろうとの予測だった。通常は3分もあれば着く距離だが、それだけまだ回復していないのか、と不安がよぎった。

 だが、居酒屋の扉を開けるとすでにK氏はカウンターに座っており、花見に参加した仲間2人もいた。3人とも満面の笑顔だったため、回復が順調であることが窺え、一安心。会話も以前とほぼ変わらず、舌がもつれたり、何を言ってるのか分からないということはなかった。そんなK氏の脳出血発症時の様子と、その後の入院生活、退院後の生活について話を聞いた。なお、K氏は60歳で仕事は辞めている。

―発症当時の様子を教えてください。

 その前にまず、脳出血とは何かという話ですが、広い意味での「脳卒中」があり、その中に脳の血管が詰まる脳梗塞と、血管が破れる脳出血とくも膜下出血があります。花見でしこたま酒を飲んだ後、ホテルに帰ったら頭がぼーっとし、体がふらふらしてきて、これはちょっとヤバいなと思いました。もちろん酒を大量に飲んだ後に気分がよく頭がぼーっとしたり、足がふらついたりすることはあるものの、それまでに経験したことのないぼーっと状態&ふらふら状態だったのです。

 そんな状況ながらフロントに電話をし、救急車を呼んでもらいました。動けるうちに動かなくてはならない……、とエレベーターに乗り1階へ。エレベーターを降りる瞬間ぐらいまでの記憶はありましたが、その後ストレッチャーに乗ってから記憶はないです。そこから先は何も覚えていない。

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