新年会シーズンは要注意…「脳出血」で緊急搬送された当事者に聞く“発症した瞬間”の記憶

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いかに以前と近いところに持って行けるか

――手術をしたのですか。

 手術はせず、点滴で抗浮腫剤と降圧剤を入れました。点滴終了後は、内服で出血を抑える薬、血圧を下げる薬を体内に入れました。発症から2週間ほどの危険な「急性期」は、ICU(集中治療室)に2日間、ICUよりは軽いHCU(高度治療室)が3日、それから一般病棟に移りました。埼玉の病院には18日間入院し、そこから地元の病院に転院し、その後回復期へと向かったのです。私は脳の左側から出血したため、右半身が麻痺しました。

 それから降圧剤を含めた内服治療をし、リハビリをする病院での生活が始まりました。私は9月、150日間の入院生活を終え退院しました。入院期間には決まりがあり、高次脳機能障害がある人は180日入院でき、それより軽症の患者は150日までです。私はその期限ぎりぎりまで入院できました。これが「回復期」で入院しながらリハビリを受けられる期間となります。

――退院おめでとうございます。その後はいかがですか。

 退院後に気を付けることとして、医師からは水分の重要性を強調されました。一日1.5リットルの水を飲み、血圧には常に注意しなさいと言われた。そのため、塩分など、血圧が高くなるような食べ物は控えた方がいいとのこと。呑兵衛の私ですから、もじもじしながら「酒はいかがでしょうか……?」と聞いたら「人並みでお願いします」と苦笑しながら言われました。

 さて、発症から8ヶ月経ち、幸い今は歩けるようになりました。一人で電車に乗り、乗り換えもできます。駅ではエレベーターを使うようにしていますが、随分と回復はできたなと思っています。しかし、歩けるようになるまでが大変でした。歩く段階に移行するため、スクワットをして麻痺側に足の感覚を思いださせるのです。その後歩行訓練をし、自力で歩けるようにしていくのです。

 4月の発症前の歩行状態を10とした場合、現在は6ですかね。完全には戻らないと思います。ただ、人によって回復度合いはまったく違うので、いかに以前と近いところに持って行けるか、というのが日々の生活態様も含めての目標になります。

日々の生活スタイルの見直しを

――とにかく、命が助かってよかったです。

 ありがとうございます。今回、埼玉までは行けました。年末は家族で台湾に行きますが、これもリハビリです。私流のリハビリは、近くて楽しいところへ行き、少しずつ遠くへ行く。台湾の次は2月にタイへ行き、4月にヨーロッパへ行きます。段階を踏んでリハビリを進めている感じですね。

 さて、こんな状況なわけだが、気になるのが費用だ。K氏は初期の頃はICUに入るなど多額の費用がかかったが、これは最高額が決まっている高額療養費制度に助けられた。その後は自己負担は3割負担で月に10万円ぐらいだった。医療費が約5万5000円で、4万5000円が食費となっている。現在は週3回のリハビリ中だが、4月から12月までかかった費用は約130万円だ。

 ――脳出血に至った理由は何だと思いますか。

 私の場合、ほぼ毎日サウナへ行っていたんですよ。実際、発症した花見の日も、サウナに1時間近く入った後、花見で酒をしこたま飲んでホテルに帰った。脳出血とサウナの関連性は知られており、これと酒、普段からの高血圧ぎみの体調が影響したのかと思っています。

 年末は一年を振り返る良い時期だ。日々の生活スタイルで見直すべきものに何かあるかを、考えたいものである。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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