「辛口コラムニスト」が選ぶ「2025年」ベストドラマ 27年朝ドラ「脚本家」による傑作コメディに唸らされた!

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ベスト1位

アナ:連ドラ・ランキング、残すところあと年間ベストの1位だけとなりました。さて、何が選ばれたのでしょう。

林:栄えある2025年の連ドラ番付、ベスト3の第1位は……

▼「ホットスポット」【日本テレビ系/日曜20時30分/1月期】

……です!

アナ:おお、そう来ましたか。確かに林さん、放送中から入れ込んで、最終回の後は「ホットスポット」ロスになっていたくらいでしたもんね。

林:ドラマにせよ映画にせよ小説にせよ何にせよ、虚構には2つタイプがあって、それは見終わった後や読み終わった後に「ああ、現実に戻ってこられてよかった」と胸をなでおろすA型と、「ああ、現実に戻ってきちゃって残念」と臍をかむB型。「ホットスポット」は2025年で一番――と言うより、ここ数年で一番のB型ドラマだったもの、そりゃ最終回の後、喪失症にもなるわ。

アナ:何事もなさそうな田舎の日常に、実は宇宙人や未来人、超能力者などが潜んでいて、その存在がだんだん明らかになっていき、事件もいくつか起きるんですが、何事もなさそうな田舎の日常はそのまま続く――そういう世界観の作品でした。

林:そうそうそう。そして何より、コメディとして上品だったよね。宇宙人にせよ、未来人にせよ、超能力者にせよ、市長と開発業者の癒着にせよ、ともすれば過激にもなりうる飛び道具でブラックな展開になってもおかしくなかったんだけれど、そういう飛び道具の数々が最後まで適度な刺激として働いたから、ブラックの域には陥らず、砂糖もクリームも――ついでにブランディも――ちょうどよく入ったコメディになった。

脚本家・バカリズム

アナ:ホント、そういうドラマでしたね。役者さんがまたよかった。

林:顔ぶれもよかったし、各々の芝居もよかったからアンサンブルが見事だった。「ホットスポット一座」を組んで作品を量産してほしいレベル。

 ベストの3位で「じゃあ、あんたが作ってみろよ」の夏帆を2025年のドラマ主演女優賞に推したけれど、彼女は「ホットスポット」での助演もよかったし、こちらの主演の市川実日子も賞に値する出来だった。市川とトリオを組んだ鈴木杏と平岩紙がまた、山梨の公立中学の同級生やら先輩後輩やらとして、なんだかリアルでさ。

アナ:そこに絡む木南晴夏さんも同様ですし、一方、宇宙人の角田晃広さん、未来人の小日向文世さんといった男性陣がまたハマり役でした。

林:というわけで、ドラマ3要素のホン(脚本)・ヒト(配役)・シゴト(演出・撮影・美術その他いろいろ)のうち、ヒトの面ではほぼ満点。ではホンはとなると、これがまた見事な出来でね。脚本家としてのバカリズムの評価は、『素敵な選TAXI』(フジ系・関西テレビ制作/2014年)くらいからすでに高くて、そのあと『架空OL日記』(日テレ系・読売テレビ制作/2017年)、「ブラッシュアップライフ」(日テレ系/2023年)とどんどん上がってきたんだけれど、女装とかタイムリープとかの飛び道具を使って現実を異化する手口がどんどんこなれてきて、ついに「ホットスポット」でひとつのピークに達した感がある。

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