「毎月120万円」の高額治療を可能にしたのは、「大暴落」前の全株売却だった… 森永卓郎さんが明かしていた“前向きすぎるがん闘病記”
タバコは1日20本
上記2種類の治療を続けた森永さん。がん細胞は小さくなってはいないが、大きくもなっていないという状況が続き、余命4カ月と言われて以後、1年以上も生命を保ち続けていた。その要因として、森永さんが手記で挙げていたのは、「前向きな気持ち」「精神的な部分」の持ちようである。
「私ごとになってしまうが、拙著の『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』(フォレスト出版)が30万部の大ヒットとなったおかげで、出版社から新著の執筆依頼が殺到した。私はそれをすべて引き受けた結果、2024年8月は、1ヵ月で13冊の書籍を書き終えることになった。普通に書いていたら、締め切りにとても間に合わない。そこで、私は8月の1ヵ月間を毎日完全徹夜で過ごした。一日数時間寝落ちはしているが、24時間キーボードをたたき続けたのだ」
毎日、睡眠不足との闘いであるし、タバコも一日20本以上、吸っていた。それでも体調は悪化するどころか、改善に向かっていたという。
温泉と沖縄
森永さんが効果を実感していた「2つの習慣」があったという。
「私の場合は特殊ケースだとは思うのだが、意識してやっていることが二つある。一つは、週に一度、近所のスーパー銭湯に出かけて、かけ流しの温泉に入ること、もう一つは、月に一度、沖縄に出かけることだ。
温泉に入るのは、温浴療法の効果を得るためと思われるかも知れない。でも、そうではない。湯船につかっていると、新たな寓話のアイデアが天から降ってくるからだ。湯船の中で、大体、寓話が三つくらい浮かんでくるのだ。沖縄も同じく、寓話を創作するためだ。なんで沖縄に行くと寓話が書けるのか理由は不明だが、現地に行っても私はホテルに缶詰めになって原稿を書いているだけである。ただ、その時の生産性は本土にいるときの3倍くらいになる。もっと極端なのは往復の航空機内だ。機内で原稿を書くと、生産性が5倍くらいに上がる。沖縄往復で、書籍を一冊仕上げることができるペースだ。もともと沖縄通いは、貯まりに貯まったマイレージを生前整理で消化しようと考えたからなのだが、予想もしていない効果だった」
[3/4ページ]



