「本塁打は31本」だが「打率は2割2分」 「村上宗隆」に米メディアが下した率直な評価とは 「パワーは高く評価」も「コンタクト率に重大な疑問符が…」
12月22日(日本時間)、ヤクルトからポスティングシステムを利用し、メジャー移籍を目指していた村上宗隆のホワイトソックスへの入団が決まった。当初は1億~2億ドル(約160億~320億円)規模の大型契約になるとも取り沙汰されていたが、村上が手にするのは3,400万ドル(約53億円)。契約期間もわずか2年という短さで、2年後のオフにFAとなり改めて大型契約を狙うことになる。
村上の契約内容を“低評価”と見る向きもあるが、ホワイトソックスのGMクリス・ゲッツ氏は「地球上で最も本塁打を量産する長距離砲の一人」と村上の実力を高く評価。強豪チームは弱点の多い村上の獲得を見送った可能性も指摘される中、ホワイトソックスとすればローリスクハイリターンの選手の獲得に成功したともいえるだろう。
現地メディアの報道や成績予測などを中心に、村上の移籍決定後の動きなどを紹介しよう。
【八木遊/スポーツライター】
***
年俸総額は山本由伸の約10分の1
ホワイトソックスと村上の契約直後に「村上宗隆はどうなったのか?1億ドル規模の契約が予想されていた選手が、なぜ3,400万ドルで契約することになったのか?」と題した記事を書いたのは、米ヤフー!スポーツのシニアライター、ジェーク・ミンツ氏だ。
ミンツ氏は記事内で「村上には試合の流れを変えるほどの打撃力があったにもかかわらず、結局どのMLB球団も、彼がメジャーリーグで真に試合の流れを変える存在になるとは信じていなかった」と、そもそも村上に対する各球団の評価が低かったことに言及。当初から懸念されていた空振り率の高さ、つまり三振の多さが起因したと分析している。
ミンツ氏によると、ある球団関係者の談話として、「彼は本当に打てるのか?」というコメントがあったことを紹介。「重大な疑問符が付く打者と長期契約を結ぼうとする球団は存在しなかった」と推測した。
ミンツ氏はまた、村上と同じ年齢で渡米した山本由伸との違いにも言及している。
「村上は、近年渡米した多くの日本人投手とは興味深い対照をなす。例えばワールドシリーズヒーローの山本由伸は、2024年シーズン前にドジャースから12年総額3億2,500万ドル(当時のレートで約465億円)の契約を獲得した。しかし、打者と投手の間には根本的な力学の違いがある」と、年俸総額で約10倍の格差が付いた要素として、2人のポジションの違いを挙げた。
[1/3ページ]


