「本塁打は31本」だが「打率は2割2分」 「村上宗隆」に米メディアが下した率直な評価とは 「パワーは高く評価」も「コンタクト率に重大な疑問符が…」
投手と打者の違いとは
ミンツ氏によると、山本が大型契約を勝ち取った背景に「投球分析技術」があったという。球団側が山本投手の球威がMLBの打線にどう通用するか、様々なデータから確信を持っていたという。
一方で、「日本人打者にとって状況はそれほど単純ではない」とミンツ氏は持論を展開。「NPBとMLBのストレートの球速の違いは顕著で、打者は反応が求められる。そして、この壁を乗り越えた打者の数ははるかに少ない」とし、「鈴木誠也のような成功例がある一方で、筒香嘉智のような失敗例は複数存在する」と、投手と打者の違いを分析。村上に対するリスクの大きさが今回の低評価につながったと締めくくっている。
村上がホワイトソックスと契約を結んだ背景には自身に対する懐疑的な見方を汲んで、まずは出場機会を確保したいと考えたのかもしれない。まずは結果を残さないといけない村上としては自然な判断だろう。
3年連続100敗以上を喫しているホワイトソックスなら、多少打てなくてもすぐにスタメンを外されるようなことはない。また、新天地では主に一塁手としての起用が見込まれており、不安視される守備面の負担も軽減されることも大きかったはずだ。
また、村上と同世代の選手も多く、ある意味で“失敗が許される環境”が整っている。チームの雰囲気も“ファミリー球団”と呼ばれる古巣ヤクルトに似たものを感じたのではないだろうか。
来季は打率.221、31本塁打?
そんな村上の2026年の成績予測も出始めている。ホワイトソックスとの契約直後、アメリカのデータサイト「ファングラフス」が予測システム「Steamer」によって弾き出した数字が「138試合 打率.231、30本塁打」であった。また、「村上宗隆の成績を予測」と題した記事を同サイトに寄稿したのが、ジョーダン・ローゼンブルム氏だ。
“OOPSY”という独自の予測方法を用いるローゼンブルム氏は、過去に渡米した日本人選手やNPBでプレーした元メジャーリーガーの成績などを分析。MLBとNPBのレベル差を基に村上の2026年の成績を予測している。
それが、打率.221、31本塁打/600打席、出塁率.345、長打率.448、三振率34%というものだ。本塁打の数は600打席という前提だが、仮に150試合×4打席ならこの数字に達する。
同氏は、村上に近いタイプの選手として三振と四球が多いジャンカルロ・スタントンとジョイ・ギャロの名前を挙げている。
スタントンは過去にイチローや田中将大とも一緒にプレーしてことがあり、日本でも知られた存在。通算453本塁打とメジャー屈指のパワーを誇り、打球速度や飛距離はアーロン・ジャッジや大谷にも引けを取らない。
一方のギャロは、村上と同じ左打ち。メジャー通算208本塁打を放っているパワーヒッターで今年2月にホワイトソックスとマイナー契約を結んだが、スプリングトレーニング中に解雇され、その後は投手への転向を果たした異例の選手だ。
打者としてはとにかく確実性に欠けるタイプ。通算打率は.194と低く、バットに当たればフェンス越えの可能性もあるが、空を切る確率がとにかく高い。
レンジャーズとヤンキースでプレーした2021年には合計153試合に出場し、打率.199、38本塁打をマーク。際立ったのは、リーグ最多となる111四球と213三振を喫したことだろう。
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