年間ドラマ視聴率「ベスト10」 TBS「日曜劇場」がトップ4独占 強さの秘密は“1話4000万円”の圧倒的制作費
感動作「ロイヤル」
同率3位は「19番目のカルテ」と「ザ・ロイヤルファミリー」。
「19番目のカルテ」の主人公は医師・徳重晃(松本潤)。2021年に19番目の専門分野として誕生した総合診療科を受け持った。
総合診療科医は患者が抱える様々な健康問題に対応する。検査より問診を重視するのが特徴だ。
新しい医療ドラマだった。
「ザ・ロイヤルファミリー」は競馬界を舞台にした作品。主人公は栗須栄治(妻夫木聡)。馬主でもある人材派遣会社の社長・山王耕造(佐藤浩市)にスカウトされ、税理士から耕造の競馬部門秘書に転じた。
栗須は最後まで地味な存在だったが、それは作品の狙いだ。栗須が目立たぬことが、競馬がチームで戦うものであることを表していた。調教師・広中博(安藤政信)、騎手・佐木隆二郎(高杉真宙)と野崎翔平(市原匠悟)、栗須の恋人で生産牧場の野崎加奈子(松本若菜)。
1人でも欠けたら戦えない。誰かが目立つ必要もない。さらに、耕造の死後は新たな馬主として婚外子の中条耕一(目黒蓮)が加わった。
最終回では耕一の馬・ロイヤルファミリーが人気馬の集まるGI「有馬記念」に出走した。善戦したが、敗れてしまう。
ここからタイトルの意味が分かる。競馬嫌いである耕造の妻・京子(黒木瞳)が、愛人の子で鼻も引っかけなかった耕一に「お好きなものはなぁに?」と声を掛け、遠回しに耕一を食事に誘った。
やはり競馬嫌いの耕造の長男・優太郎(小泉孝太郎)も異母弟の耕一にこう言った。「正月ゆっくり話そう。真面目な話はどうでもいい。たわいのない話をしてみたい。家族だからな」。母・美紀子(中嶋朋子)を失い天涯孤独の耕一には、たまらなくうれしかっただろう。血統が問われる競馬が、山王ファミリーを結束させた。
「日曜劇場」がなぜ圧勝できるのかというと、まずスポンサーが強力だから。花王など大手ばかり4社が支えている。4社がこの番組を推すのは、視聴率が良いから。好循環の状態にある。
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