過去にオンラインカジノのアフィリエイトでボロ儲け 「違法ウェブコイン」をアミューズメントカジノにばら撒いた「日本のポーカー王」の正体

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始まりは「メイド服を着たディーラーと遊べるテーマパーク」

 薮内氏は20代の頃、約10年間カンボジアやベトナムのカジノでディーラーをしながら海外を放浪。帰国後、2007年、東京・秋葉原にメイド服を着たディーラーの女性と遊べる、アミューズメントカジノ「アキバギルド」をオープンさせた。その後、当時まだ日本人にポピュラーでなかったテキサスホールデムポーカーをゲームに取り入れ、チェーン展開に成功。そして11年、JOPTを立ち上げ、東京・大阪・札幌などで年数回開催され、延べ10万人以上が参加するビッグビジネスにまで育て上げた。

「後発のアミューズメントカジノ店、ポーカー大会団体はすべて薮内氏のやり方を真似ながら参入してきた。今のポーカーブームは薮内氏が作り上げたと言っても過言ではない。『アミューズメントカジノ業界の始祖』とも『日本のポーカー王』とも呼ばれるゆえんです」(同)

 薮内氏がウェブコインの違法性を否定する際に持ち出したのが、ポーカー大会と同じ「選手契約」というスキームだ。「入賞した客に出すプライズは、集めた広告費から、海外のポーカー大会に参加するための『選手契約』として出し、客から集めた参加費は会場の運営費にすべて充当する」。このJOPTなどのポーカー大会で採用している考え方を「各アミューズメントカジノ内におけるポーカーにも適用すれば違法にならない」と語り、「加盟店が適切な使い方をしていないから起きたことであり、今後指導を徹底していく」とした。

 しかし、アミューズメントカジノ店経営者は言う。

「そもそも賭博にならないよう取ってつけたような理屈です。ポーカー大会ならばともかく、各店舗内で行われているリングゲームに当てはめるのは無理がある。実際、理論武装に不備があったようで、今年7月、運営会社は付与方法を変えると加盟店に通知してきました」

️「3店方式」に制度変更

 それまでは、各店舗でプレイヤーがポーカーに勝つと、店からプレイヤーにウェブコインを付与していたが、

「突然、店が運営会社にデータを送り、運営会社が付与を代行するやり方に変更したのです。我々がウェブコインを購入する名目も『利用料』から『広告宣伝費』になり、さらに消費税10パーセント分を購入費に上乗せすると言ってきた」(同)

 なぜ直接店から客への付与をやめたのか。

「パチンコの脱法スキームのように『3店方式』にしたかったのでしょう。店が直接客へ『ウェブコイン』を渡すと賭博性が問われますが、運営側が代わりに出すことで『選手契約』になり、店はその『広告宣伝費』を出しているという建て付けに。しかし、お客さんにとってはなんのこっちゃの話。客は『選手』になっている自覚など全くなく、ただ『賞金』を稼ぎにきているだけなので」(同)

 当然、このような“屁理屈”のような“適法化”は警察には通用しなかったわけである。もう一つ重要な話は、JOPTに違法性が問われるのは今回が初めてではないことだ。

「1〜2年前までオンラインカジノの手先となって、インフルエンサー活動、宣伝活動を行いアフィリエイトでボロ儲けしたんですよ。挙句、グループ会社で決済代行業務まで行っていたのです」(業界関係者)

 第3回【岸田文雄元首相まで“宣伝利用” 海外オンラインカジノを普及させて日本のポーカー愛好家を「ギャンブル漬け」に…日本最大のポーカー大会「JOPT」の実像】では、日本最大のポーカー大会「JOPT」のロビー活動やウェブコインの普及でポーカー業界の「ギャンブル依存症」が深刻化している実態について詳報している。

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