福岡県立高では「豚骨カレーラーメン」も! 全国各地“高校学食”ご当地メニューは傑作ぞろいだが…「学食天国」大阪、埼玉、福岡でも“学食の存続に危機感を抱く”非常事態に

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学食で「豚骨カレーラーメン」の衝撃

 福岡県は、田川市の県立東鷹高校の学食が提供している「カレーらーめん」(380円)が興味深い。メニュー自体は新味がないと首をひねる方も多いだろうが、福岡県らしくスープのベースが豚骨なのだ。

 というより、ゆであがったラーメンの上にカレールーをかけ、その上から豚骨ラーメンのスープを注いで完成というレシピになっている。

「高校の学食で豚骨スープが常備されているのか」と驚く人が多いのではないだろうか。ちなみに残ったスープにご飯を入れる生徒もいるという。

 次は福岡県立小郡高校の学食が提供している「のせ弁」だ。これはまず、生徒が自宅で弁当箱に白米を積める。それを昼休み前の休憩時間を使って学食に提出し、かつ丼、親子丼、ヒレカツ丼、焼肉丼、豚キムチ丼、ハンバーグカレー、唐あげカレーなど20種類を超えるメニューから選んで注文する。

 すると学食の調理スタッフは高校生が持参した弁当箱の上に、カツ丼のカツや、親子丼の卵と鶏肉だけを載せてくれる。これで値段は300円だという。

 第1回の記事でも触れたが、高校で「給食」を出す動きもある。例えば茨城県の県立大子清流高は大子町に位置している。大子町は人口減に悩んでおり、少子化対策や定住促進策を打ち出している。

高崎工業高校のユニークな給食

 その一環として保護者の負担を軽減するため、希望する生徒に大子町の給食センターが作っている中学生用の給食を高校に“出前”しているのだ。同じ取り組みを城里町も茨城県立水戸桜ノ牧高等学校常北校の生徒に行っている。

 さらに北海道の一部市町村でも行われているようだ。だが何よりもユニークなのは群馬県立高崎工業高校の給食だろう。生徒から費用を徴収して提供している立派な“給食”だとはいえ、3種類のメニューから選べるなどサービス精神に溢れている。社食に近いイメージと言えるかもしれない。

 高崎工業高校の公式サイトでは給食のメニューを公開している。ちなみに12月の献立を見ると、1日の月曜は「ご飯 お好み豚カツ ごぼうサラダ、味噌汁」、「照焼チキン丼 味噌汁」、「辛味噌ラーメン ご飯 コロッケ」の3種類が準備されているという具合だ。

 たとえ学食がなくても、高校生に美味しい昼食を提供したいという気持ちはどの自治体も強い。自由記述欄の回答から様々な取り組みをご紹介しよう。

【東京都】
全日制の都立高校では、お弁当やパン等の出張販売や食品の自動販売機の設置等により、各学校の実情に応じて昼食提供環境の整備に工夫して取り組んでいます。

【愛知県】
愛知県教育委員会は、令和6年度より、生徒に温かく(冷たく)栄養価の高い昼食の提供をするとともに、共働き家庭の増加等における保護者の弁当作りの負担を減らすことを目的に、「SNSによる弁当注文システム」が導入できるよう試行を行っています。(令和6年度は16校で試行を実施)

【京都府】
食堂の無い学校において、キッチンカーによる昼食を提供している府立高校が複数ある。

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