米兵の遺族にも“軍神”の愛人にも取材を尽くす…『滄海よ眠れ』澤地久枝さんが“私は「鬼」であった”と語った理由

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「終戦80年」だった2025年。出版界でも、多くの関連企画が登場した。そのなかで、10月に復刊した。澤地久枝さんの『新装版 滄海(うみ)よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死』全五巻(毎日文庫 以下、『滄海よ眠れ』と略称)は、戦争ノンフィクションの金字塔と称されてきた名作だ。

 澤地久枝さん(1930~)は、『妻たちの二・二六事件』『密約 外務省機密漏洩事件』『火はわが胸中にあり 忘れられた近衛兵士の叛乱・竹橋事件』など、昭和史の重要事件を、綿密な取材と独自の視点で描きつづけてきたノンフィクション作家である。...

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